研究課題/領域番号 |
20K15469
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
三浦 佑介 群馬パース大学, 保健科学部, 助教 (20848791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | イソチオシアネート / 酸化ストレス / ミトコンドリア / 近位尿細管上皮細胞 / 近位尿細管上皮 / 脂肪滴 / 近位尿細管 |
研究開始時の研究の概要 |
腎の近位尿細管上皮細胞障害は、酸化ストレスや脂質の蓄積に加えてミトコンドリア機能の低下など様々な要因から生じる。一般的に腎機能の低下は不可逆的であり、複雑な病態を示す慢性腎臓病に対する予防法や早期治療法の確立が望まれている。食品中に含まれる成分であるイソチオシアネートはKeap1-Nrf2経路を活性化することで抗酸化作用をもたらすことが知られている。本研究では構造の異なる複数のイソチオシアネートを用いて、近位尿細管上皮細胞の脂質蓄積による細胞障害に対して保護的に作用するのか検討する。
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研究成果の概要 |
スルフォラファン、6-MSITC、アリルイソチオシアネート、フェニルイソチオシアネートの構造の異なる4種類のイソチオシアネート類が、脂肪酸添加による近位尿細管上皮細胞障害に対して保護的に作用するか検討した。スルフォラファンは既知の性質である抗酸化作用に加えて、腎臓のミトコンドリア機能障害から細胞を保護する作用を持つ可能性が示唆された。また、イソチオシアネート類が細胞に対して抗酸化作用やミトコンドリア保護作用を及ぼすためには、構造中にスルフィニル基をもち、炭素鎖が適切な長さであることが重要な要素となる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病は、患者数がわが国の成人のうち8人に1人にのぼるともいわれ、糖尿病や高血圧に加えて新たな国民病として注目度の高い疾患である。そのため、新たな予防法や治療法の確立が強く求められている。腎臓における近位病細管上皮細胞障害の原因は、酸化ストレスをはじめミトコンドリア機能低下や脂質の蓄積など多岐にわたり、Keap1-Nrf2経路を介した作用が有効手段の1つとして考えられる。Keap1-Nrf2経路を活性化するスルフォラファンがミトコンドリア機能低下を抑制する可能性をもつことから、今後の予防法・治療法の探索に寄与し得る研究であると考えられる。
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