研究課題/領域番号 |
20K15486
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
水野 美麗 昭和大学, 薬学部, 講師 (60766195)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 機能性食品 / 活性酸素 / 抗酸化作用 / プロオキシダント効果 / 銅イオン / 抗酸化活性 / キノン / チモキノン / 鉄イオン / キレート / スーパーフード / サプリメント |
研究開始時の研究の概要 |
パラキノンは生体内のタンパクやDNAと容易に付加して毒性を示すことが知られている。一方、サプリメントやスーパーフードに含有しパラキノン骨格を有するCoQ10やチモキノンは、その有効性が謳われている。つまりパラキノンは「薬と毒薬」の二面性を持つことが懸念される。本研究ではパラキノン骨格を有する化合物の生理作用を化学的に解析し、ヒトへの有効性と安全性を評価することを目的とする。これらが有する抗酸化作用やDNA・タンパクへの影響を評価し、官能基や濃度など影響因子を推測することで、化合物の生体への影響を明らかにできる。
|
研究成果の概要 |
チモキノン(TQ)は生体内での還元反応によってチモハイドロキノン(THQ)ヘ還元され、これが活性本体だと予想した。TQとTHQの抗酸化活性を評価したところ、THQの方が抗酸化活性が強かった。一方、THQはCu2+存在下において銅結合型活性酸素を発生させ、プロオキシダント効果を引き起こした。次に、化合物と銅の相互作用を紫外可視吸光光度計を用いて測定すると、Cu2+とTHQの相互作用が確認できた。さらに、化合物のチロシナーゼ阻害作用を確認したところ、THQは阻害作用を示した。我々は、THQが生体における「有害」「有益」の2つの作用を持ち合わせていることを明らかにできた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パラキノン骨格を有するビタミンKやコエンザイムQ10(CoQ10)は、サプリメントとして広く流通している。ブラッククミンシード含有成分であるチモキノンもパラキノン骨格を有し、抗酸化活性や抗がん作用など多様な生理活性が報告されている。その一方でキノン系化合物が生体内で毒性を示す報告があり、これらは生体へ「薬」および「毒」の2つの作用を持つことが懸念される。サプリメントやスーパーフードは法律の規制が厳しくないため、消費者の判断で自由に服用が可能となり、条件次第では毒性を示す可能性がある。そのため、本研究で得られた知見を元に、正しい情報を消費者に発信することで健康被害を防ぐことが可能となる。
|