研究課題/領域番号 |
20K15490
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田頭 歩佳 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教 (40847282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リゾチーム / ペプチド / RAW264.7 / 炎症性サイトカイン / 抗炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
卵白に豊富に含まれているリゾチームおよびトリプシン処理によって得られたリゾチーム分解断片は、抗炎症効果を有することが明らかになった。このことから、リゾチーム分解断片中に活性ペプチドが含まれることが示唆された。本研究は、トリプシン処理によって得られたリゾチームの分解断片中に含まれる活性ペプチドおよびその配列を特定し、その作用メカニズムの解明を目的とする。本研究により、将来的には安全性が高く、吸収効率のよい機能性食品素材の開発への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、トリプシン処理された卵白由来リゾチームの分解断片の抗炎症作用に着目した。主にトリプシン処理リゾチームの分解断片中に含まれる3種類のオリゴペプチドについて検討した。その結果、すべてのオリゴペプチドにおいて炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-6の産生抑制がみられ、特に疎水性アミノ酸が多く含まれているオリゴペプチドにおいて特に抑制効果がみられた。マクロファージにおいて、リゾチームは細胞内部に取り込まれることが明らかになっていることから、リゾチーム由来のオリゴペプチドにおいても細胞内部に取り込まれた後に作用を示すことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵白由来リゾチームは安全性の高い天然食品添加物として多くの食品に用いられており、抗菌作用以外にも抗ウイルス作用、免疫促進作用を有することが明らかになっている。本研究では、リゾチームの機能性食品素材としての有効性をさらに高めるために、特に抗炎症効果に着目した。また、タンパク質の多くは小腸においてオリゴペプチドの形で吸収され、かつその吸収スピードはアミノ酸の数倍であることが明らかになっていることから、リゾチーム由来オリゴペプチドの抗炎症作用および活性部位を明らかにすることは、安全性が高く吸収効率の良い機能性食品素材の開発への応用が期待できる。
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