研究課題/領域番号 |
20K15498
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 株式会社Rhelixa(研究開発部) (2022-2023) 筑波大学 (2021) 奈良先端科学技術大学院大学 (2020) |
研究代表者 |
田島 由理 株式会社Rhelixa(研究開発部), 受託事業部, シニアサイエンティスト (80771154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 植物免疫 / シロイヌナズナ / 防御応答 / 全身獲得抵抗性 / プライミング |
研究開始時の研究の概要 |
植物が病原体を認識して防御応答が活性化されると、病原体認識部位だけでなく全身で防御応答が記憶化され、二次感染に対してより早く・強く応答可能なプライミング状態となる。これまでに低分子RNAを介した制御が免疫プライミングに必要であることを示唆する予備的知見を得た。そこで本研究では、その制御機構について明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
植物は病原体認識部位だけでなく、全身で防御応答を活性化させる。この際に一部の防御応答遺伝子は二次感染に対して鋭敏に応答可能なプライミング状態となる。分子制御基盤の探索のため逆遺伝学的解析を行った。その結果、低分子RNA生成経路の変異体植物では、病原体感染葉での防御応答は野生型植物と同程度であったのに対し、防御応答マーカー遺伝子のプライミングについては野生型植物よりも低下していた。このことから、低分子RNAを介した経路が防御応答のプライミングを正に制御することが示唆された。また、プライミング誘導時に低分子RNA経路の標的となる候補遺伝子リストを得るためにトランスクリプトーム解析を実施している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食糧問題が取り沙汰される中、病原菌感染による農作物の減収は解決すべき重要な農業課題の一つである。古くから行われている対策の一つに、病害抵抗性遺伝子を標的とした育種があるが、その抵抗性はわずかな変異により打破されやすい。また、一般に防御応答を増強することにより、植物バイオマスが低下することが知られていることから、他の対策も必要になると考えられる。本研究で着目した防御応答のプライミングは、植物生長を維持しながら、必要な時に防御応答を増強・誘導可能であることから、有望な対策の一つとなりうる。プライミング制御に関わる分子基盤の一端を明らかにすることにより、持続可能な農業生産の一助になると考えられる。
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