研究課題/領域番号 |
20K15501
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中村 咲耶 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (20845151)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | オートファジー / オルガネラ / シロイヌナズナ / 光障害 / 細胞内品質管理 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成で成長する植物は、強烈な太陽光による障害に常に晒されている。申請者は、太陽光の障害要因である紫外線 (UVB) や強光に対する植物の耐性機構に着目し、光で損傷した葉緑体が、細胞内分解系オートファジーによって除去される「選択的クロロファジー」の存在を明らかにした。本研究では、植物成長を支える他のオルガネラの品質管理にもオートファジーが寄与する可能性に着目し、植物の新奇オルガネラ・オートファジー経路を同定し、ストレス応答としての重要性を検証する。これにより、光障害耐性機構として植物オートファジーが担う役割の全容解明を目指す。
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研究成果の概要 |
植物は太陽光に由来する紫外線B (UVB) や強度の強い可視光による障害に常に晒されており、本研究では、光障害時のオルガネラ除去・分解に寄与する植物オートファジー経路の同定とその機能因子群の解明に取り組んだ。そしてUVB障害時にはミトコンドリアとペルオキシソームがオートファジーによって積極的に分解されることを見出した。特にミトコンドリア・オートファジーに焦点を当てた解析を行い、マイトファジーが損傷ミトコンドリアを除去する品質管理機構として機能していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光障害は光合成機能の低下だけでなく、活性酸素種の過剰蓄積や細胞機能の破綻にもつながるため、光障害を受けた細胞内成分を適切に除去・修復することは、植物の生存や作物の生産能力に関わる重要な機構である。本研究では、光障害時の細胞内品質管理機構として機能するオルガネラ・オートファジー経路の同定に成功した。この経路について、さらにその制御機構を解明する研究が発展していくことで、植物における細胞内品質管理能力を高め、作物の生産性・ストレス耐性の向上を図るための応用研究が創出されることが期待できる。
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