研究課題/領域番号 |
20K15507
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
原 尚資 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (20721426)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 発芽時耐湿性 / 抗菌活性 / 遺伝解析 / ソバ |
研究開始時の研究の概要 |
作物栽培において発芽時の湿害は、食料の安定生産に深刻な問題を引き起こすことから、発芽時耐湿性の改良および遺伝的制御機構の解明は緊急の課題である。発芽時耐湿性に関連する性質のひとつとして不定根形成が挙げられているが、その表現型解析の再現性が低いことから詳細な遺伝解析が困難であった。一方で、土壌・種子殺菌処理により発芽時耐湿性が向上することが示されていることから、発芽時耐湿性には抗菌活性能も関連していると考えられた。そこで本研究では、湿害に極めて弱いソバを用いて、抗菌活性能および抗菌活性能と不定根形成能との関連性に着目することで、発芽時耐湿性の遺伝的制御機構の一端の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
本課題では、発芽時耐湿性が極めて弱いソバで新たに作製した自家和合性系統を用いることで、これまで基礎的知見が不足していた抗菌活性に着目し発芽時耐湿性を不定根形成能と抗菌活性能に分けて評価した。その結果、不定根形成能と抗菌活性能にはともに多様な遺伝的変異が存在し、発芽時耐湿性は不定根形成能と抗菌活性能の組合せにより制御されていることを明らかにした。本課題成果は不定根形成能と抗菌活性能に基づく発芽時耐湿性の遺伝的制御機構の解明に向けた基礎的知見となる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作物における耐湿性は、収量性および収量安定性に直接影響することから作物育種において重要な課題となる。しかしながら、発芽時耐湿性は、発芽(生存)と未発芽(腐敗死)に分かれることに加え、土耕・水耕などを用いた発芽時耐湿性評価は、再現性を得ることが難しく、発芽時耐湿性の遺伝的制御機構の解明に向けた障壁となっていた。本課題では、畑作物種の中で発芽時の湿害に極めて弱いソバを用いて、これまで基礎的知見が不足していた抗菌活性に着目した発芽時耐湿性の評価を実施することで、抗菌活性と発芽時耐湿性および不定根形成との関連性を明らかにしたものであり、今後の遺伝的改良に向けた研究や栽培管理に活用可能と考えられる。
|