研究課題/領域番号 |
20K15515
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
出口 亜由美 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (20780563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アントシアニン / AVIs / ダリア / ニチニチソウ / 花色 / フラボン合成酵素遺伝子 / マロニル基転移酵素遺伝子 / フラボノイド |
研究開始時の研究の概要 |
植物の水溶性赤色色素アントシアニンは,液胞内で稀にAnthocyanic vacuolar inclusions (AVIs)と呼ばれる凝集体を形成する.AVIs形成は花色や果皮色を特徴的な色へと変化させ,アントシアニンの高蓄積とも関連することが示唆されているが,形成機構は不明な点が多い.本研究では花色改変およびアントシアニン高含有作物の作出を応用に見据え,AVIsの形成機構の解明を目指す.ゲノム情報が公開され遺伝的解析が可能なニチニチソウにおける品種間比較,および季節によりAVIs形成の有無が変化するダリアにおける品種内比較を行うことで,AVIs形成に共通する条件および制御遺伝子を特定する.
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研究成果の概要 |
水溶性の赤色色素アントシアニン(ANT)は稀にAnthocyanic vacuolar inclusions (AVIs)と呼ばれる凝集体を形成する.花色等を特徴的な色へ変えるAVIsの形成機構は不明な点が多い.本研究では,ニチニチソウとダリアを用いてAVIs形成条件や制御遺伝子を調査した.両種のANTは別であったが,種内で特定のANTが高蓄積した場合にのみAVIsが形成されることがわかった.ダリアではマロニル基転移酵素遺伝子およびフラボン合成酵素遺伝子の低発現がAVIs形成に関与することが示唆された.交配実験の結果,ニチニチソウのAVIs形成形質は劣性で一遺伝子支配である可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アントシアニンを蓄積する花卉品目は多いが,AVIsを形成することがわかっている品目は数えるほどである.よって,本研究で得られたAVIs形成に関する知見は,ニチニチソウおよびダリアの花色育種に限らず,幅広い花卉品目の新奇花色開発に貢献できると考えられる.さらには,アントシアニンを蓄積する野菜や果実などの果皮色改変へも応用できる可能性がある.また,AVIsはアントシアニンの高蓄積との関連が示唆されているため,機能性物質であるアントシアニを高蓄積させた高機能性作物の育種への応用も見込める.
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