研究課題/領域番号 |
20K15518
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
元木 航 京都大学, 農学研究科, 助教 (00867814)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キャベツ / ダイコン / 晩抽性育種 / 接ぎ木 / フロリゲン・FLOWERING LOCUS T / 早期開花技術 / 採種 / アブラナ科 / フロリゲン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが保有するキャベツ‘不抽苔’は、花成が強力に抑制された難開花性の変異体であり、数ヶ月におよぶ冬の低温に遭遇してもほとんど開花しない。ところが、ダイコンに接ぎ木することで‘不抽苔’を強制的に開花させ種子を得ることができる。本研究では、これまでに見出してきた花成誘導能力の異なるダイコン品種を用いて、 ‘不抽苔’の花成抑制を打破するために必要なダイコンの花成誘導因子の特定と、接ぎ木による採種法と通常の採種法とで得た種子の農業形質の比較を行う。本研究の成果は強力な花成誘導能力をもつ台木の育種と、採種した種子の形質予測を可能にする。これにより“花の咲かない野菜種子”生産体系の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
“花の咲かない野菜種子”生産体系の開発に向けて、ダイコンの接ぎ木花成誘導能力に関わる因子の特定と、接ぎ木により採種した種子の農業形質の評価を行った。花成ホルモンであるFTタンパク質の定量解析を通して、接ぎ木によるキャベツの花成誘導においてFTが量的効果をもち、接ぎ木したキャベツにFTが十分量蓄積することが花成誘導の必要条件であることを明らかにした。さらに、穂木におけるFT蓄積量に影響する台木の要因を特定した。また栽培試験の結果、接ぎ木による採種法は得られたキャベツ種子の主要な農業形質に対して影響を与えず、従来法と同様にキャベツの育種に利用できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では接ぎ木による花成誘導の成否に関わる台木の要因の特定と、接ぎ木により採種した種子の形質評価を通して、接ぎ木を利用した“花の咲かない野菜種子”生産体系の実現可能性を示すことができた。今回明らかにした台木のFT供給能力に関わる要因に着目することで、より強力な花成誘導能力をもつ台木を作出し、接ぎ木による種子生産を効率化できる可能性がある。本研究で開発した花成誘導法は、従来の低温処理による花成誘導法で要した時間を半分に短縮可能であり、アブラナ科作物の育種や採種にも有用だと考えられる。また本研究で得た知見は、アブラナ科以外の作物種における接ぎ木花成誘導法の開発にも資するものと考える。
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