研究課題/領域番号 |
20K15522
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
吉田 実花 東京農業大学, 農学部, 助教 (50825403)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 内部褐変 / リンゴ / 収穫日 / 貯蔵温度 / 組織内ガス / ガス透過性 / エチレン / 酸素 / 収穫時期 / 長期貯蔵 / 果実内部位 / 低温感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
食味の優れた完熟リンゴ‘ふじ’果実では、長期貯蔵後に果実内部が茶色く変色する「内部褐変」が発生することがある。内部褐変の発生メカニズムには不明な点が多く、抑制方法は確立されていない。申請者はこれまでに、収穫時期や貯蔵温度などの組み合わせにより、内部褐変が発生しやすい果実と発生しにくい果実が得られること、各条件により内部褐変の発生部位が異なることを見出した。 本研究では組織内ガス濃度に着目して、それらの果実・部位にどのような差異があるのかを調査し、内部褐変の発生メカニズムを明らかにすることを目的とする。最終的には、‘ふじ’以外の品種も含めて内部褐変を発生させない長期貯蔵条件の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
リンゴでは長期貯蔵後に内部褐変が発生する場合がある。内部褐変は酸化反応により生じることから、その反応には組織内の酸素濃度も強く影響していると考えられる。しかし、現在販売されている各種機器では、組織内酸素濃度の実測は難しい。そこで、今までにない測定システムを利用した光学式酸素センサーを改造し、センサーを果実に突き刺して実測できる装置を製作した。 組織内ガス測定装置およびガス透過性測定装置を作成したことで、これまで調べることができなかったリンゴ果実における組織内ガスおよびガス透過性の測定に成功した。貯蔵初期の酸素透過性が貯蔵6か月後の褐変発生の難易に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンゴの内部褐変の発生メカニズムには収穫日、貯蔵条件などが関与しているが、未だ不明な点が多く、その研究においては半年を超える長期貯蔵試験が必要であった。しかし、本研究で新たに作成したガス透過性測定装置を使用したことで、貯蔵開始直後の果実サンプルの酸素透過性と内部褐変発生の間に負の相関関係が認められた。本研究では、果実のガス透過性を調査することで、貯蔵後の褐変発生を予測できる可能性を見出した。本研究の成果は、内部褐変発生のメカニズム解明と、予測・抑制技術の開発に貢献するものと考える。
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