研究課題/領域番号 |
20K15524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
西尾 聡悟 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 主任研究員 (30507596)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 遺伝的多様性 / 遺伝資源 / 遺伝的構造解析 / クリ / 栽培化 / 遺伝子流動 / コアレセント解析 / DNA / 遺伝構造解析 / GWAS / 栽培 / 野生 |
研究開始時の研究の概要 |
クリは日本で栽培化された唯一の果樹であり、古くから栽培されている栽培品種と全国に分布する野生グリは貴重な遺伝資源である。本研究ではこれらの遺伝的な分類をDNA解析により詳細に行う。これにより、適切な遺伝資源の保存と日本のクリの栽培の歴史の科学的な検証が可能となる。さらに、野生グリおよび栽培品種の全ゲノムを解読することで、果実の大きさ等の栽培化に関わる有用な遺伝子を明らかにする。
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研究成果の概要 |
日本全国に分布する野生グリを収集し、栽培グリとともに遺伝的構造解析を行なった。九州の野生グリはその他の地域の野生グリから遺伝的に大きく離れていることが明らかになった。さらに、本州の野生グリは西日本と関東地方と東北で緩やかに遺伝的に分かれた。関東では品種と野生グリの双方向で遺伝子流動が認められたが、丹波地方(関西)では栽培グリから野生グリのみの遺伝子流動が検出された。関東の栽培グリは野生グリから比較的少ない世代で栽培化されたのに対し,丹波地方の栽培グリは複数の地域からの持ち込みや複数回の人為選抜等、複雑な栽培化過程が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本全国を網羅する野生グリを収集し、栽培グリとともに遺伝的関係を明らかにした。一部の収集した野生グリは農研機構ジーンバンクに登録しており、研究や育種目的に利用することができる。農研機構のクリ育種においても、遺伝的多様性の拡大や温暖地域への栽培適応を目的として、収集した九州の野生クリを交雑利用している。 また、一部の野生グリは栽培グリからの遺伝子流動により遺伝的構造が変化していることから、生息域内保存だけでなく、ジーンバンク等の生息域外保存が重要であることが示唆された。
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