研究課題/領域番号 |
20K15534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
林 正幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 主任研究員 (80837609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 相利共生 / 天敵 / 害虫防除 / アブラムシ / アリ / 共生 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、アリの共生者に対する学習行動を操作し、土着天敵としての機能を人為的に引き出す害虫防除法を開発することである。アリは農生態系における強力な捕食者であり、多くの害虫密度を低下させる。その一方、アブラムシなどの甘露排出昆虫を保護し、他の土着天敵の活動を抑制してしまう。本研究では、アリの甘露排出昆虫に対する意思決定機構を利用し、アリの保護を中断させ天敵としての機能を強化する手法を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、アリの共生者に対する学習行動を操作し土着天敵としての機能を人為的に引き出す新規な害虫防除法を開発することである。アリは全世界的に分布する節足動物群集における強力な捕食者であり、農生態系においては多くの害虫種の密度を低下させる。その一方で、農業害虫であるアブラムシなどの甘露排出昆虫を保護し、他の土着天敵の活動を抑制してしまうため、アリの存在は農業現場ではむしろ問題視され防除の対象とすらなる。最近の研究により、アリと甘露排出昆虫の間には潜在的な利害対立が内在し、両者の関係が動的かつ条件依存的であることがわかってきた。アリにとって価値の異なる甘露排出昆虫が同所的に共存するとき、アリは価値の低い甘露排出昆虫への保護を中断し、ときには捕食するようになる。本研究では、こういったアリの甘露排出昆虫に対する意思決定機構を利用し、アリにとって至高の“人工アブラムシ”をアリに提供することで、アリの甘露排出昆虫への保護を中断させ捕食性天敵としての機能を強化する手法を構築する。三年目の2022年度は、昨年度に引き続きトビイロシワアリの炭化水素識別能を室内実験により詳細に調べた。その結果、トビイロシワアリの働きアリは、直鎖飽和炭化水素を学習しにくいことがわかった。また、メチルアルカンのうちメチル基の位置が同じものは主鎖の炭素数が異なっても区別しないこと、メチル基の位置が異なるメチルアルカンを区別すること等がわかった。また、2020年度より継続して実施しているアブラムシの体表炭化水素に関する化学分析と解析結果から、アリと共生関係をむすぶ共生型アブラムシ種において、特定の炭化水素成分をもつような化学収斂は生じていないことがわかってきた。しかし、アリとより強い共生関係を構築する種は、より複雑な炭化水素組成をもち、体表炭化水素中のメチルアルカン比率がより高い傾向があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍や所属異動の影響を受け、野外でのサンプル・データ収集および室内実験が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
アリの各炭化水素成分に対する識別能および学習持続性を引き続き検証する。体表炭化水素と甘露成分のアブラムシ種間比較を引き続き行っていく。
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