研究課題/領域番号 |
20K15536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2021) 基礎生物学研究所 (2020) |
研究代表者 |
竹中 將起 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (00854465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 無翅昆虫 / 昆虫の翅 / 翅の起源 / 昆虫 / 新奇形質 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫は,地球上で最も繁栄したグループであり,4億年以上前には「翅」を獲得している.昆虫翅の獲得進化は短期間に起こったとされ,「翅の獲得」は昆虫の多様化してきた最大の進化イベントの一つである.しかし,昆虫翅は付属肢などとは独立した「進化的新奇性 evolutionary novelty」と呼ばれ,昆虫翅の獲得起源に関しては,謎に包まれている.そこで,本申請課題では翅獲得以前の分類群であるシミ類に着目し,有翅昆虫の翅形成に関わる分子基盤の存在やその機能について追究し,有翅昆虫類の翅形成の分子基盤と比較することで「翅の獲得」に関する分子基盤の進化について究明する.
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研究成果の概要 |
「昆虫翅」は昆虫進化で重要な新奇形質であるが,昆虫翅の獲得起源に関しては未解決の課題である.本申請課題では翅獲得以前の系統群であるシミ類に着目し,有翅昆虫の翅形成に関わる分子基盤の存在やその機能について追究した.本年度はvestigialやnubbinの遺伝子の機能を破壊することで,そのような形態変化が生じるかを確かめるために,CRISPR/Cas9を用いたノックアウト個体の作出を実施した.また,翅形成マスター遺伝子vestigial の発現を確認するために,VGタンパク質の抗体をマダラシミにおいて作製し,初期発生における発現パターンを調べた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,昆虫の翅の起源に迫るために,翅を獲得する以前の系統群であるシミ目に着目した.無翅昆虫類であるマダラシミにおける翅形成に重要な遺伝子の機能解析を実施し,またそれらの遺伝子の発現パターンを調べた.翅の獲得における進化を解き明かす上で,欠かせない系統群ではあるが,非モデル生物であるマダラシミにおいて,機能解析などの知見は乏しい.そんな中,世界に先駆けて無翅昆虫類における遺伝子の機能解析や抗体染色による発現パターンの解析を実施し,有翅昆虫と比べることで,昆虫翅の起源を考える上で鍵となる重要な研究である.
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