研究課題/領域番号 |
20K15537
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
酒井 弘貴 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (30814660)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有核精子 / 無核精子 / カイコ / 雄性前核 / 蚕 / Sex-lethal |
研究開始時の研究の概要 |
ガやチョウの仲間では、核を保持し卵との受精に用いられる「有核精子」に加えて、核を持たない「無核精子」を形成する。無核精子の形成は、重要な生殖戦略の一つであると考えられるが、それを実現する遺伝的基盤は未解明のままであった。近年、カイコにおけるSex-lethal (Sxl)遺伝子の働きが無核精子の分化に重要であることが見いだされた(Sakai et al., 2019)。本研究は、無核精子の分化の鍵となるSxl遺伝子を制御する遺伝子や、Sxl遺伝子に制御される遺伝子を通して、無核精子の運命決定機構を分子レベルで解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
鱗翅目昆虫であるカイコは、核を保持し卵との受精に用いられる「有核精子」に加えて、核を持たない「無核精子」を形成する。本研究では、非常にユニークなカイコ精子の特徴を捉えるために、遺伝子発現や精核の形態学的特徴などに着目し調査を行った。 本研究の主要な成果として以下の三つがあげられる。1)比較トランスクリプトームデータの解析によって、無核精子特異的に発現する遺伝子が複数得られた。2)遺伝子組換えカイコ作出に必要な「集中産卵操作」における受精率の向上につながった。3)カイコ卵内における精子核の観察手法を確立し、受精前後における精子核の形態的な変化について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無核精子を利用した受精システムは、鱗翅目昆虫の繁栄をもたらした重要な生殖戦略の一つである。この仕組みを解明することは生物がもたらす多様な生殖戦略の理解につながる。また、カイコの生殖について理解することは、効率的な遺伝子組換えカイコ作出や、遺伝子組換えカイコの拡散防止技術につながる。
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