研究課題/領域番号 |
20K15541
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 公益財団法人岩手県文化振興事業団(博物館) |
研究代表者 |
高橋 雅雄 公益財団法人岩手県文化振興事業団(博物館), 学芸第三課, 専門学芸調査員 (10815541)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生物多様性の保全 / 耕作放棄地 / 湿性草原 / 鳥類 / 絶滅危惧種 / 生態的価値 |
研究開始時の研究の概要 |
稲作水田の耕作放棄地は農耕地内に成立した湿性草原環境で、野生生物に良好な生息場所を提供してきた。しかしながら、その生態的機能や保全的価値が注目される間も無く、減反政策の廃止等で激減している。本研究では、小型鳥類4種を指標として、2つの側面から冬季の耕作放棄地の機能と価値を立証する。第1に、全国規模で対象4種の越冬状況を調査し、耕作放棄地と他の湿性草原環境とで比較する。第2に、関東地方において、耕作放棄地の植生構造や管理手法等の情報を収集し、対象4種の詳細な越冬状況を調査する。その上で、生息密度の高い地点の共通要素を抽出し、価値が高い耕作放棄地の特徴と成立条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
稲作水田の耕作放棄地は農耕地内に成立した湿性草原で、野生生物に良好な生息場所を提供してきた。しかしながら、その生態的機能や保全的価値が注目される前に、減反政策の廃止等で激減している。本研究では、小型鳥類4種を指標として、2つの側面から冬季の耕作放棄地の機能と価値を立証した。第1に、東北地方~南西諸島の計474ヶ所で、対象4種の越冬状況をプレイバック法を併用したラインセンサスで調べ、耕作放棄地の利用実態を明らかにした。第2に、茨城県の耕作放棄地6ヶ所にて、対象4種の詳細な越冬状況を、上記のラインセンサス・自動録音・カメラトラップで調べ、合わせて25地点の植生を計測し、その対応関係を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、現在最も危機的に瀕した生態系である湿性草原環境の生物多様性の保全において、稲作水田の耕作放棄地が高い生態的機能と保全的価値を有することを、絶滅危惧種を含む鳥類を指標として広域的かつ直接的に示した初めての例である。特に越冬環境として評価できることを示したことに特徴がある。本研究によって、稲作水田の耕作放棄地が、湿性草原環境の生物多様性の保全に大いに利用されることが期待できる。
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