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局所的に送粉環境が異なる山岳地域での、送粉者多様性が植物に及ぼす影響の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K15543
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分39060:生物資源保全学関連
研究機関信州大学

研究代表者

江川 信  信州大学, 全学教育機構, 助教(特定雇用) (10837743)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2021年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード送粉 / 多様性 / 山岳共生系 / 生態 / 山岳 / 共生系
研究開始時の研究の概要

現在世界規模で急速に進行している送粉者の多様性の減少は植物の種多様性の減少に加え、進化的な過程を通じてその形態にまで影響すると考えられる。申請者らは、山岳地域の標高の上下で送粉者として重要なマルハナバチの種組成が大きく変化し(高標高で小型のヒメマルハナバチが優占)、複数種の植物で送粉環境の地理的な変化によって花形質に変異が生じることを見出した。
本研究課題では、山岳地域の送粉共生系に着目し、高標高での送粉者の低い種多様性にともない、①植物の種組成の単純化が生じていること、②特定の送粉者への形態的な適応を生じさせることの2点を虫体付着花粉から送粉共生系の群集構造を明らかにすることで実証する。

研究実績の概要

本研究では、山岳地域の送粉共生系に着目し、送粉者の多様性の減少が植物の種の多様性と形態の多様性に及ぼす影響を評価した。
亜高山帯から高山帯でのマルハナバチとその利用植物のネットワークを目視による観察と虫体付着花粉から記録し、中体付着花粉からのDNA抽出を試みた。まず、乗鞍岳の長野県側2600m地点と1750m地点および1600m地点の3地点に調査地を設定し、7月から9月にかけて花に訪花したマルハナバチを採集し、種名と訪花した植物種名を記録した。マルハナバチの虫体に付着した花粉を部位ごとに採取し(頭部、胸部、脚部および花粉塊)、プレパラート標本を作成し、花粉の形状から植物種を同定しマルハナバチが利用した植物の種数を記録した。
その結果、先行研究と同様に、高山帯では小型のヒメマルハナバチが優占しマルハナバチの種多用度は低く、亜高山帯では5種のマルハナバチが確認されマルハナバチ種の多用度は高いことが明らかになった。ヒメマルハナバチの利用した植物種はハチ種のレベルでは高山帯で亜高山帯より増加したが、個体のレベルでは高山帯、亜高山帯共に2から3種の植物を利用し変化しなかった。また、2019年の観察記録を再解析し、高山帯ではヒメマルハナバチの好まない長い花筒を持つ植物種が減少していることが明らかになった。
本研究の結果は、乗鞍岳の高山帯では、ヒメマルハナバチがハチ種として振る舞うことで、植物の多様性の維持に貢献している一方で、花の形状については制限することを示した。これは、訪花者の多様性の減少は植物種の多様性の減少にはつながらないが、花の形態の多様性を減少させることを示唆するものである。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 乗鞍岳における高山帯と亜高山帯でのヒメマルハナバチの花利用特性の違い2021

    • 著者名/発表者名
      江川 信, 近藤 輝留, 中瀬 悠太, 田路 翼, 市野 隆雄
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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