研究課題/領域番号 |
20K15545
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター (2022) 山口大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
齋藤 稔 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 水産領域, 任期付研究員 (20869474)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 通し回遊 / 魚類 / 甲殻類 / 河道横断構造物 / 分布 / 河川 / 河川内分布 / 堰堤 / 環境DNA / 生息場復元 / ポテンシャルマップ |
研究開始時の研究の概要 |
海からの遡上を堰堤に阻害されている通し回遊種が優占していた河川生態系を効果的に復元するため,魚道の設置効果が高い流域を抽出する手法構築を目指す.地形や加入を左右する海流の影響が多様な山口県周辺をモデル地域として,現状での魚類・エビカニ類と堰堤の分布を調べ,堰堤がない場合の潜在的分布を推定する.また,通し回遊種の遡上阻害が堰堤上流の食物網に及ぼす影響を解明する.これらの結果から,生態系機能の復元・水産有用種の増殖といった個別の自然再生事業の目的に合わせて,遡上可能となる流路延長・種組成・食物網での機能の中から適切な基準を選択し,魚道設置適地の選定と魚道設置効果の推定が可能なモデルを構築する.
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研究成果の概要 |
中国地方の小瀬川水系、および高津川水系を対象として、海と川とを行き来する通し回遊性魚類・エビカニ類の分布状況を明らかにした。また、両水系内における堰堤の設置箇所と性状を把握した。加えて高津川水系において、堰堤の影響が異なる隣接した2地点において、食物網の構造の違いを明らかにした。これらの結果に基づき、両水系における堰堤による通し回遊性生物の遡上阻害状況を評価し、魚道の設置、あるいは改良が効果的な地点の特定を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海と川とを行き来する通し回遊種には、ニホンウナギ・アユ・モクズガニなどの日本人になじみ深い水産有用種が多く含まれる。これら通し回遊種は、堰堤によって海からの遡上を妨げられて生物量が減少していると考えられるため、遡上経路の確保が急務である。本研究では、堰堤による遡上阻害状況を把握し、魚道設置適地を推定する上で特に効果的な分類群の組み合わせを明らかにした。加えて、遡上阻害によって劣化した食物網構造を復元する上でモクズガニが重要な種であることを示した。
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