研究課題/領域番号 |
20K15549
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
原田 芳樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (70866459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 屋上菜園 / 竹炭 / 土壌改良 / 水利用効率 / 肥料利用効率 / グリーンインフラ / 水分特性 / 冷却 / 土壌改良資材 / ヒートアイランド現象 / 栄養塩利用効率 / Readily Available Water / Plant Available Water / 人工土壌 / 再生廃棄物 / 生態系サービス / 都市計画 / 都市農業 |
研究開始時の研究の概要 |
屋上菜園は世界規模で実装の進むグリーンインフラであり、様々な生態系サービスが期待されている。その中でも食料自給・雨水管理・廃棄物処理の融合は持続可能な社会を実現するための基幹技術の1つであり、確証に基づく都市計画が望まれる。本研究はまず土壌材料として優れた水分保持特性を持つ都市廃棄物を調査・分析し、その特性に最適な屋上菜園ユニットを作成する。次に室内実験でユニットの水・窒素収支を実測し、食料生産・廃棄物処理・雨水管理からなる複合的生態系サービスを定量評価する。最後に東京都区部をモデルとするGIS分析を融合させ、屋上菜園による都市規模の生態系サービス供給容量を推定し、都市計画への展開を図る。
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研究成果の概要 |
本研究は廃棄物から作られる土壌材料を用いて屋上菜園における水・肥料利用効率を向上させるための基礎的知見を得ることを目的としている。まず事前実験において竹炭の混入により、水利用効率を向上させる可能性が示唆された。その後、計4つの実験を通して①園芸用土等の粒径の大きな人工土壌に対しては、竹炭の混入により保水容量と冷却効果が向上する可能性や、②天然の土壌(黒ボク土)に対しては、竹炭の体積混入率が5~10%(20cmの深さの土壌に対して3~6 kg/m2)で収量(リーフレタス)が最大となること、そして③竹炭の体積混入率が20%程度であれば、十分な収量を伴いながら溶脱窒素量が低減する、などの知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
屋上菜園は世界的に拡大を続ける都市型グリーンインフラであり、水・肥料利用効率を改善することで、食料生産や雨水管理を中心とする幅広い生態系サービスが向上する。本研究では、廃棄物由来の材料の中でも竹炭に注目し、その土壌改良資材としての混合比率、混合対象、粒径などの条件が屋上菜園の水・肥料利用効率に与える影響に関して、基礎的知見を得た。土壌改良資材としての竹炭の活用は、放棄竹林整備の廃棄物である竹の付加価値を向上させ、森林生態系保全の促進にもつながる。したがって都市型グリーンインフラにおける土壌改良資材として竹炭が普及すれば、都市と山林の両方において、持続可能性が向上する可能性がある。
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