研究課題/領域番号 |
20K15554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター (2021-2022) 国立研究開発法人森林研究・整備機構 (2020) |
研究代表者 |
河合 清定 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 林業領域, 任期付研究員 (50846334)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 亜熱帯気候 / 海洋島 / 気候変動 / 固有種 / 植物解剖学 / 水分生理 / 木材解剖学 / 光合成 / 土壌乾燥 |
研究開始時の研究の概要 |
個葉の生理特性に大きな影響を及ぼす葉の通水性(水の流れやすさ)が乾燥ストレス下で低下するメカニズムおよびその波及効果を解明する.そのために,夏季に強い乾燥にさらされる小笠原諸島の樹木を対象に,1)乾燥下での葉の通水性の低下に関わる形態・物理的要因を調べ,2)通水性の低下に対し,光合成や蒸散,水収支といった葉や個体の特性がいかに変化するかを明らかにする.本研究の遂行により,乾燥下における樹木の生理的な応答がわかり,将来の乾燥化に対し樹木の成長や森林の物質生産がどう変わるのか予測に貢献する.
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研究成果の概要 |
夏季に乾燥する小笠原諸島父島において、葉の生理・形態特性が大きく異なる6樹種を対象に、葉の通水性の日変化を調べ、樹種間でのパターンの違いをもたらす要因を調べた。葉通水性の日変化パターンは樹種によって大きく異なり、午前中に上昇し、午後に低下する種、午後にピークを迎える種、日中を通じてあまり変化しない種が存在した。日中を通じた最大通水性は、通水欠損度と正の相関を示し、最大水輸送能力と通水維持能力にはトレード・オフの関係があることがわかった。通水欠損度は、葉の浸透調節能力とも正に関係しており、葉肉細胞の膨圧維持が、葉における水輸送の維持に重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
葉の通水性は、植物個体全体の水輸送を律速する要因であり、物質生産や環境適応にも影響する。葉の通水性は乾燥ストレスや光強度などの環境要因に応答して変化することが知られているが、樹種による応答の違いやそのメカニズムについては、特に野外においてよくわかっていない。本課題では、野外の樹木における葉通水性の環境応答には大きな種間差があり、その応答性は、葉の特性と密接に関係していることを見出した。これらの結果は、変動環境における樹木ならびに森林の生理機能の応答予測に貢献する。
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