研究課題/領域番号 |
20K15568
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
梅澤 究 近畿大学, 農学部, 講師 (70802544)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 木材腐朽菌 / 褐色腐朽菌 / 木質バイオマス / バイオリファイナリー / 糖質関連酵素 / セルロース分解酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
針葉樹の主要な分解生物である褐色腐朽菌は、木質バイオマス利用の拡大に向けて極めて重要な生物である。褐色腐朽菌の木材細胞壁分解機構は従来、非酵素的な分解反応により説明されてきた一方、本菌は結晶性セルロース分解酵素を持たず、その結晶性セルロース分解機構は謎であった。本研究では、申請者が褐色腐朽菌の網羅的遺伝子発現解析により見出した、木質基質培養で高発現となる3種類の推定セルロース分解関連酵素遺伝子について詳細な機能解析を行い、その褐色腐朽機構における働きを明らかにすることで、本菌の木材分解機能の木質バイオマス変換への応用につながる知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
褐色腐朽菌における結晶性セルロースの分解機構を明らかにすべく、申請者らが網羅的遺伝子発現解析から見いだした、木質基質により顕著に発現増加する3種類のタンパク質である、ファミリー9溶解性多糖モノオキシゲナーゼ(LPMO9)、ファミリー14 LPMO(LPMO14)、エクスパンシン様タンパク質の機能解析を行った。本研究では、これらの3種類のタンパク質を組換えタンパク質として発現させ、その糖質加水分解酵素との相乗作用および糖質結合能の調査を進めることで、その機能の解明につながる新たな知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褐色腐朽菌は木造建築物の腐朽被害および木質バイオマスの糖化への応用の観点から極めて重要な生物である。本研究では他の糸状菌で知られる結晶性セルロース分解酵素を持たない本菌が、結晶性セルロースをどのように分解しているのかを明らかにすべく、申請者らが網羅的遺伝子発現解析から見いだした、3種類の結晶性セルロース分解への関与が予想されるタンパク質の解析を行った。本研究で組換えタンパク質として発現させ、糖質加水分解酵素との相乗作用や糖質結合能の知見を得ることができたこれらのタンパク質について、今後、より詳細な解析を行うことで、木材利用への応用につながる知見が得られることが期待される。
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