研究課題/領域番号 |
20K15570
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
三好 由華 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50781598)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 熱軟化特性 / リグニン / ヘミセルロース / 動的粘弾性 / 有機液体 / 熱軟化温度 / シリンギルリグニン / 木材標本 / 抽出成分 / 樹種 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、木材の加工性制御のための基礎的知見として、様々な樹種の熱軟化特性とリグニン構造の関係を明らかにすると共に、リグニンやヘミセルロースを選択的に除去した木材試験片の力学的性質の変化を詳細に把握する。得られた結果を総合的に考察することで、木材中のリグニンやヘミセルロースが担う力学的役割を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
様々な樹種の熱軟化特性とリグニン構造の関係を明らかにするとともに、リグニンやヘミセルロースを選択的に除去した木材試験片の力学的性質の変化を検討した。様々な樹種の熱軟化特性は、針葉樹と広葉樹で大きく異なり、熱軟化温度とリグニンのシリンギル核比が関係することが明らかになった。また、脱成分処理木材の動的粘弾性とクリープ試験の結果から、流動変形の増加にはリグニンの構造変化だけでなくリグニンとヘミセルロースの相互作用の低下が大きく影響すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科・属・種、組織構造、産地等が異なる約80個体の木材標本について抽出処理前後の熱軟化特性を測定し、学術的に資料性の高いデータを詳細にそろえることができた。また、これまで根拠の乏しかった熱軟化温度とリグニン構造の関係について、リグニンのシリンギル核比を用いて検証を行い、両者の関係性を示す結果を新たに得ることができた。さらに、リグニンとヘミセルロースの除去が変形特性へ及ぼす影響についても明らかにできた。以上の結果は、木材の加工性を効率的かつ高度に制御するための基礎として技術に応用できるものであり、社会的意義がある。
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