研究課題/領域番号 |
20K15575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
富安 信 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (50837101)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 二枚貝養殖 / 行動モニタリング / 環境適応 / マガキ / ホタテガイ / 成長 / 漁具 / カキ / 稚貝 / 養殖バスケット / シングルシード |
研究開始時の研究の概要 |
マガキとホタテガイを対象に、成長、産卵および斃死における加速度記録をパターン化し、野外で各イベントの経験を推定する手法を確立する。研究は3年間で以下のように進める。 1)目視が可能な飼育環境で、 マガキ・ホタテガイの成長、産卵および斃死における殻体運動を目視観察および加速度記録によって捉える。 2)屋内での各イベントにおける加速度記録の特徴(開閉の角度、頻度、持続時間および日長との関係)をクラスター分析によってパターン化する。 3)厚岸湖と内浦湾の養殖環境において、季節ごとに1~2カ月間殻体運動を計測し、生態的イベントの経験を推定する。推定の精度を検証し、斃死の予測・予防への提言を行う。
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研究成果の概要 |
重要水産資源のマガキ、ホタテガイに対して、殻の開閉運動を基にした状態・行動のモニタリング手法の確立を試みた。 両種において、加速度センサーおよび磁力センサーを用いて殻の開閉運動を捉える手法を考案し、行動の長期計測に成功した。屋内実験では、マガキで摂餌、排泄、産卵時に特有な運動の特徴を明らかにした。ホタテガイでは、摂餌、移動行動の特徴を明らかにし、養殖方法の違いによる行動への影響を検証した。マガキについては養殖場で野外実験を行い、野外での行動の傾向、産卵の多様性、養殖バスケットの挙動、バスケットごとの個体の成長特性およびバスケットごとの運動へ与える影響について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、水産重要種の二枚貝の長期的な行動モニタリングが可能となり、養殖現場での成長や状態を評価するのみならず生態情報の知見を蓄積することが可能となった。特に二枚貝養殖で問題視されている個体の大量斃死がどのような条件で発生し、どのように対策をしていくべきかを考える上でこれら知見の収集は不可欠である。また本研究は、比較的簡易な計測手法によって行われ、養殖業を営む漁業者や地方自治体と共に研究を行ってきた。そのため、地域に研究の手法・成果が実装されつつあり、今後地域独自に調査を展開し知見を蓄積していくことで、研究の発展が期待される。
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