研究課題/領域番号 |
20K15577
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伯耆 匠二 三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (10809354)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 二枚貝 / 食性 / DNAメタバーコーディング / 珪藻 / 餌料環境 / アサリ / アコヤガイ / メタバーコーディング / 葉緑体ゲノム / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
アサリ資源の低迷や、アコヤガイ大量斃死の一要因として餌料不足が指摘されており、餌料環境の正確な把握が二枚貝類増養殖における緊急の課題と位置付けられている。ところが現在のところ、天然海域における二枚貝の餌料環境の正確な評価は不可能な状況にある。海洋の多様な微細藻類の中には、二枚貝の摂食に適さない「大きい」種や、消化に適さない「堅い」種も多い。本研究では、消化管内容物の電子顕微鏡観察と遺伝子解析に基づき、天然海域における二枚貝の適餌料を具体的に明らかにした上で、微細藻類の「大きさ」と「堅さ」を指標とした餌料としての適・不適の基準と、それに基づく二枚貝の餌料環境評価法を新たに確立する。
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研究成果の概要 |
アサリ(浮遊幼生~成貝)とアコヤガイ(着底稚貝~成貝)を対象として、天然海域における具体的な餌(微細藻類)を調べるとともに、摂食可能な微細藻類の大きさと、消化可能な微細藻類の堅さを調べた。その結果、生活史初期(浮遊幼生~殻長数mm)の二枚貝にとって利用可能な餌は、長径が約8~15μm未満、細胞殻の強度が約70~100μN未満の小型で脆い微細藻類に限定されている一方で、大きく成長すると100μmを超える大型の群体を作る浮遊珪藻や、300μNを超える堅い殻を持つ底生珪藻も餌として利用できるようになることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
餌料環境の正確な把握は、危機的な状況にある我が国の二枚貝類の増養殖における緊急かつ重要な課題と位置付けられている。ところがこれまで、天然海域における二枚貝の具体的な餌料すら明らかになっていなかったため、餌料環境の正確な評価は不可能な状況にあった。餌として適した微細藻類の特徴を二枚貝の成長段階ごとに解明した本研究の結果は、沿岸域への栄養塩供給方策の二枚貝資源におよぼす効果の正確な評価や、海面養殖における信頼性の高い環境収容力の算定など、餌料環境に起因すると想定されている二枚貝増養殖を取り巻く諸問題の解決のための不可欠な知見となると期待できる。
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