研究課題/領域番号 |
20K15578
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 山口大学 (2020) |
研究代表者 |
辻 冴月 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD) (80867656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 環境DNA / 産卵 / 精子 / マアジ / アユ / 舞鶴湾 / 産卵行動 / 地先産卵 |
研究開始時の研究の概要 |
繁殖は種や個体群の存続において最重要のライフイベントであるため、希少種や水産対象種では繁殖生態に関する知識は資源量の維持・管理に不可欠な情報となる。本研究では、水圏生物の検出手法として近年急速に発展してきた環境DNA分析を応用し、魚類の産卵行動がいつ・どこで・どれだけ行われたかを効果的に検出するためのアプローチ法を新たに提案することを目指す。具体的には、まずマアジを用いた水槽実験により産卵行動に伴う環境DNA量の特異的変動を明らかにする。次に、モデルケースとして舞鶴湾におけるマアジの地先産卵の検証に取り組み、野外における水産重要種の繁殖生態の解明に対する本手法の有用性を実証する。
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研究成果の概要 |
繁殖は生物にとって最も重要なライフイベントのひとつであるため、繁殖生態に関する知識は、特に希少種や水産重要種の資源量の維持や管理において不可欠な情報となる。本研究では、水圏生物の多様性評価手法として近年急速に発展してきた環境DNA分析を応用し、水を汲むだけで非侵襲的かつ効果的に魚類の産卵行動を検出する手法の開発に取り組んだ。その結果、産卵時にはオスから放出された精子によって環境DNA濃度が急上昇するとともに、精子由来環境DNAの特徴的な動態が明らかとなった。さらに、環境DNA分析に基づいて、舞鶴湾におけるマアジの地先産卵時期と場所を推定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまで直接的な捕獲や観察が必須であった魚類の産卵調査において、水を汲むだけで非侵襲的かつ効果的に産卵の発生や規模を推定する手法を新たに提供することができた。また、これまで種多様性を評価する手法として発展してきた環境DNA分析技術において、対象種の行動を検出する手法としての新たな展開を提示し、さらなる技術開発を促進するものとなったと考えられる。
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