研究課題/領域番号 |
20K15579
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
高木 淳一 国立極地研究所, 研究教育系, 日本学術振興会特別研究員(PD) (00838526)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 超音波バイオテレメトリー / 群れ行動 / 双曲線測位 / バイオテレメトリー / 高精度測位 / 音響測位 / Convergent Cross Mapping |
研究開始時の研究の概要 |
多くの動物は様々な時間・空間スケールで群れを作る。特に魚類では、均整の取れたその行動が長年に渡り研究者を魅了してきた。群れ行動を理解するためには、対象とする動物の位置情報を高精度に観察することが有益だが、そういったデータを入手することは今尚困難である。更に、群れを構成する個体の関係を記述する手法もまだまだ世界的スタンダードがあるとは言えない。本研究では、回遊魚の群れに焦点を当て、高精度水中3次元測位手法を駆使して群れを構成する全個体の詳細な位置情報を取得する。そして、データ間の因果関係判定手法を用いて、群れのネットワーク構造を個体間の相互作用から明らかにする。
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研究成果の概要 |
動物は様々な時間・空間スケールで群れを作って生活する。群れ行動とは、群れを構成する各個体間の、非常にローカルなスケールでの情報のやり取りの結果であると考えられる。本研究では超音波バイオテレメトリーを用いた双曲線測位手法を利用して、屋外環境において魚類の3次元位置情報を高精度(<10cm)・高頻度(<5秒)で獲得することにより、群れを構成する各個体間の相互作用を定量的に記述することを試みた。観察に成功した魚類の群れは、分離・集合を繰り返し、全体として緩やかな群れを形成しつつも、時折群れを崩さずに遊泳していた。本手法は、その様子を定量的に記述するに十分な能力があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今の技術革新によりGPSの小型化が図られ、鳥類など陸棲の動物を対象として、個体間の関係性を位置情報から明らかにする研究が盛んである。しかし水中においては、それを観察できるほどの詳細な位置情報を入手することは今尚困難である。本研究では超音波バイオテレメトリー手法を用いて、高頻度(測位間隔10秒以下)・高精度(測位精度10 cm以下)に複数個体同時に3次元位置情報を得ることに成功した。獲得した位置情報を元に、個体間の同調度などで群れ行動を定量的に評価することにも成功した。 本手法は今後の魚類の群れ行動の研究に大きく貢献できる手法であることが確かめられた。
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