研究課題/領域番号 |
20K15580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) お茶の水女子大学 (2020) |
研究代表者 |
秋田 晋吾 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80828195)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 藻場 / ホンダワラ / オオバモク / ノコギリモク / トゲモク / ヨレモク / エゾノネジモク / 生殖器床 / 季節的消長 / 再生 / 成熟 / 食害 / 磯焼け / 植食性魚類 / 嗜好性 |
研究開始時の研究の概要 |
藻食性魚類の食害により,世界各地でホンダワラ類の藻場は減少している。申請者の事前研究で,ホンダワラ類の一種であるオオバモクは,生殖器床という生殖器官が藻食性魚類によって選択的に摂餌されるものの,損傷しても再生し再生産に寄与していることが示唆されている。他種でも同様であるが,いずれの報告も事実確認に留まっている。生殖器床の再生の限界点および藻食性魚類の摂餌選択性の程度を解明することは,ホンダワラ類の藻場の保全に直結する。本研究では,野外実験,培養実験,摂餌試験および化学組成分析から,藻食性魚類の摂餌選択性の程度とその理由,損傷の程度が生殖器床の再生能力に与える影響,を解明する。
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研究成果の概要 |
本邦の藻場を構成する主要なグループであるホンダワラ類の生殖器官(生殖器床)は損傷したあと再生するが,植食動物によって選択的に摂餌されている様子が観察されていた。この関係性を明らかにするために,日本沿岸に広く分布するホンダワラ類を採集し,葉と生殖器床の損傷と再生の程度を比較した。その結果,損傷と再生の割合は種によって異なり,生殖器床よりも葉が被食している種類の存在が明らかになった。さらに,培養により生殖器床の再生には2週間程度を要することがわかり,野外でも同様と考えられた。生殖器床の再生は,ホンダワラ類の藻場の存続と関連性が低いように思われた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
藻場は沿岸生態系の基盤として極めて重要であるが,近年の水温上昇により,植食動物が活発化し世界中で藻場が衰退もしくは減少している。植食動物がどのように海藻を摂餌するかについて詳細を理解する必要がある。特に,ホンダワラ類では,生殖器官が特異的に摂餌されている可能性と,生殖器官は再生能力を持つということが指摘されていた。本研究によって,生殖器官が特異的に摂餌される点は全ての種に共通していないことが明らかになった。また,同時に再生速度が遅いため過剰な摂餌圧の下ではこの能力は藻場の維持に貢献できないと考えられた。
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