研究課題/領域番号 |
20K15582
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
高橋 迪子 高知大学, 医学部, 特任助教 (40868189)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ピロリ菌 / Helicobacter pylori / ヘリコバクター・ピロリ / 水圏環境 / 生存戦略 / 病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
Helicobacter pyloriは、胃潰瘍や胃癌のリスク要因として知られるらせん状細菌であり、その増殖は動物の胃内でのみ可能であると考えられてきた。一方で、H. pylori由来のDNAやRNAが、海洋をはじめとする水圏環境から検出される事例が報告されている。このことから、水圏環境中にはH. pyloriおよびHelicobacter属菌がなんらかの状態で存在しているものと推察されるが、これらが病原性を有しているのか、その生態については明らかになっていない。本研究ではH. pylori様細菌の水圏環境中における性状、生存戦略、ならびに潜在的病原性を網羅的に解析することを目的とする。
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研究成果の概要 |
水圏試料からピロリ菌保有病原性関連遺伝子をターゲットとした特異的検出PCR系を構築した。また、比較解析用の臨床由来ピロリ菌株について、ショートリード解析およびロングリード解析を組み合わせることで、全ゲノム配列を決定した。本株をMulti-locus-sequence-typing(MLST)解析に供したところ、1個を除く6個のハウスキーピング遺伝子については既存ST番号に分類されないことがわかった。このことから、当初の計画から方針を修正し、ピロリ菌の生存戦略の一つである外敵防御機構に注目し、解析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリ菌は世界人口の半数以上が保菌しており、多くは幼少期に感染するとされている。ピロリ菌の感染経路として経口・糞口感染が示唆されていることからも、天然の水圏環境が本菌の感染経路においてリザーバーの役割を果たしている可能性も推察されるが、その実態は明らかになっていないのが現状である。本研究では、水圏環境でピロリ菌のモニタリングを行うための検出系を構築した。加えて、臨床由来株の全ゲノム配列を決定し、公共データベースに登録した。本成果を手がかりとして、ピロリ菌がどのような生存戦略を有しているのか解析を進めたい。
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