研究課題/領域番号 |
20K15598
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 日本大学 (2021-2022) 三重大学 (2020) |
研究代表者 |
瀬川 太雄 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (50755600)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イルカ / ヘリコバクター / VacA / 胃疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
イルカにおいて胃潰瘍等の胃病変は難治性疾患の一つであり,その原因としてヘリコバクター属細菌の関与が長年疑われている.これまでにイルカはHelicobacter cetorum(HC)および応募者が発見したHelicobacter delphinicola(HD)に感染することが明らかになっているが,イルカの胃病変への関与は未解明である.そこで本研究は,HCおよびHDがイルカの胃組織を傷害する毒素を産生するかを明らかにすることを目的とする.本研究は,世界的にイルカの動物愛護に関して批判の声が多い日本が世界に先駆けて発信できる成果になると期待される.
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研究成果の概要 |
イルカに感染するHelicobacter cetorum(HC)およびHelicobacter delphinicola(HD)の病原性を推測するために,両種が産生するVacA様毒素に対する受容体の同定を試みた.その結果,一部のHCはスフィンゴミエリンを介して毒素活性を示すことが明らかになった.HDは培養細胞にVacA様の毒素活性を示すことは明らかになっているが,その遺伝子配列は明らかになっていない.そこでHDの全ゲノム解析を行い,vacA様遺伝子を明らかにすることを試み,VacA様遺伝子を同定することに成功した.今後,HDのゲノム配列から予想されたVacA様遺伝子の機能解析を行う予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イルカにおいて胃潰瘍や胃炎は難治性疾患の一つである.しかし,その主原因は解明されていないため,適切な診断法や治療・予防法の開発が進まず,多くの飼育下イルカが胃病変を患っている現状がある.本研究により一部のHCがイルカに対して病原性を示す可能性がある結果が得られた.今後病原性を示すHCを特異的に検出する簡易診断法や適切な治療・予防法が開発することで世界中で飼育されているイルカを今より健康的に飼育することが可能になる.従って本研究は,世界的にイルカの動物愛護に関して批判の声が多い日本が世界に先駆けて発信できる成果になると期待される.
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