研究課題/領域番号 |
20K15599
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
加藤 悠一 神戸大学, 先端バイオ工学研究センター, 特命助教 (70791903)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 微細藻類 / クラミドモナス / バイオ燃料 / グリセリド / メタボローム解析 / 油脂 |
研究開始時の研究の概要 |
微細藻類は光合成により二酸化炭素を固定して油脂を多量に合成する。光合成的に生成する炭素源を油脂として蓄積するのではなく別の物質の合成に利用できれば、その生産性は飛躍的に向上すると思われる。それには油脂の合成不全を起こした油脂「低」蓄積変異株を遺伝子組換えの宿主として利用する生産戦略が考えられる。本研究は、この生産戦略の学術的基盤を構築することを目指し、微細緑藻クラミドモナスの油脂「低」蓄積変異株を育種する。油脂含有率低下の影響を代謝レベル・遺伝子レベルで解明することで、油脂「低」蓄積変異株の利用可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
微細藻類は窒素欠乏条件において二酸化炭素を固定して多量の油脂(グリセリド)を細胞内に蓄積する。本研究では、緑藻Chlamydomonas reinhardtiiをモデルとしてランダム変異導入によって油脂低蓄積変異株を作製し、それを用いて油脂蓄積メカニズムの解析を行った。獲得された油脂低蓄積変異株の一つであるLL-1では、窒素欠乏条件において通常通り脂肪酸の合成が誘導される一方で、グリセリドの蓄積が全く増加せず、細胞内に形成される油滴もわずかであった。LL-1のメタボローム解析により、油脂以外の有用物質生産における油脂低蓄積変異株の利用可能性についても検証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微細藻類における油脂蓄積誘導の分子メカニズムは十分解明されていなかった。本研究は、ランダム変異導入によって油脂低蓄積株を作製してその原因遺伝子を特定することで、油脂蓄積誘導に関わる因子を新たに特定した。特に、本研究で獲得された変異株はグリセリドの誘導蓄積が完全に失われていたことから、今後本変異株の解析をさらに進めることによって微細緑藻のグリセリド合成誘導に寄与する分子メカニズムを明らかにすることが期待できる。
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