研究課題/領域番号 |
20K15633
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
地子 智浩 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 主任研究員 (60816479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 電子伝達系 / カルビン回路 / 補光 / CO2施用 / クロロフィル蛍光 / 光合成モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光合成系の電子伝達速度について機構的かつ簡易なモデルを作成し、さらにFarquhar (1980)のカルビン回路の機構的モデルと統合した新モデルを作成する。また、葉に点滅光を照射した際に葉から放射される蛍光(クロロフィル蛍光)の強度時間変化を測定し構築したモデルを適用することで、葉の光合成特性を推定する手法を開発する。これにより環境調節が光合成速度に及ぼす効果を事前に見積もれるようにする。
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研究成果の概要 |
キュウリ葉の純光合成速度が電子伝達系およびカルビン回路の相互作用により決定するとするモデルを作成し、光合成有効光量子束密度(PPFD)およびCO2濃度が純光合成速度に及ぼす影響をある程度説明した。その結果、高CO2濃度で栽培したキュウリ葉は、電子伝達系の最大反応速度と比較してカルビン回路の最大反応速度が小さい傾向があった。 さらに、一定周期で点滅する光照射したのクロロフィル蛍光強度変化を測定することで、構築したモデルのパラメータを算出する手法を提案した。これにより、施設園芸における補光やCO2施用の効果推定に有用な技術開発を目指したが、実用的な推定精度には至っていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子伝達系およびカルビン回路の最大反応速度を本モデルにより算出し、栽培環境がそれらに及ぼす影響を解析することにより、植物が限られたリソースでいかに光合成量を大きくして成長速度を高めるために適応してきたかの生態学的研究に貢献する可能性がある。 また、農業分野において、環境を変化させた際の植物個葉または群落の純光合成速度をモデルにより推定しようとする場合に、光合成特性パラメータが植物の順化により変化するため、それらを固定して推定すると誤差が生じることを示した。
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