研究課題/領域番号 |
20K15647
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 (2021-2023) 名古屋大学 (2020) |
研究代表者 |
森田 康広 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90818262)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 卵巣 / 暑熱環境 / 血流 / 繁殖管理 / ウシ / 繁殖学 / 細菌叢 / 温度生理学 / ICT技術 / 暑熱ストレス / 卵巣温度 / 子宮温度 / 生殖器温度 / サーモグラフィー / 皮膚血流 / 皮膚血流量 / 体温維持 / 繁殖性向上 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではウシにおける暑熱環境下での繁殖性の改善を目的としている。そこで本研究では、雌性生殖器の温度勾配維持機構に着目し、生殖器温度勾配維持の機序、および卵胞発育不全および排卵不全などの卵巣機能不全と生殖器の温度勾配および血流との関係を臓器温度や体温、心血管系の反応、血流量などの生理学的反応をウェアラブルの計測器を使用し継続的にモニタリングすることで解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では暑熱環境下での卵巣機能不全の原因が雌性生殖器周囲の温度勾配の破綻にあるかを明らかにすることを最終目的とした。黒毛和種牛においては暑熱条件下での排卵不全は、卵巣における卵胞形成の抑制が原因である可能性を示した。また、発情期では、体温は通常上昇するが、眼球温は排卵にかけて、温度が有意に低下することを黒毛和種牛において示した。加えて、暑熱環境下のカンボジアで飼養される乳牛において、暑熱環境下で乳脂肪率の違いは、遺伝的特徴の違いが関係していることを示した。これらの研究を通して、生殖器の温度勾配を調節することで暑熱環境下での卵巣機能不全を防止し、改善にする基礎的知見の集積を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、黒毛和種牛においては暑熱条件下での排卵不全は、卵巣における卵胞形成の抑制が原因である可能性を示した。この結果からは、視床下部や下垂体だけでなく、卵巣に焦点を当てた管理を提言でき、暑熱環境下での繁殖管理に新たな視点を提供できる。また、眼球温を観察することで発情から排卵の時期の推定ができることを示した結果は、新たな非接触での発情観察技術の開発につながる。加えて、カンボジアの在来牛が保有する暑熱耐性の遺伝的特徴を明らかにした結果は、暑熱環境下での在来牛を使用した育種へ利用できる。本研究で得られた結果は、今後の気候変動に対応し、持続可能な畜産体系の確立に貢献すると考えらえる。
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