研究課題/領域番号 |
20K15648
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松崎 芽衣 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (70848085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | マイクロサテライトマーカー / 父性鑑別 / 遺伝子改変 / QTL-Seq / 精子 / 精子貯蔵管 / ウズラ / 交尾後性選択 / LMSP |
研究開始時の研究の概要 |
鳥類を含む多くの種において、最後に交尾した雄の精子が受精に有利となる現象が報告されている。鳥類では雌の精子貯蔵管で精子が貯蔵されることが知られており、精子貯蔵管において精子の選択が起きていると推測されるが、最後に交尾した雄の精子が有利になるメカニズムは全く明らかになっていない。本研究では「雌は精子をどのようなしくみで選んでいるか」を明らかにし、「雌が精子を選択・排除するシステム」のメカニズムを解明することを目的とする。具体的には、鳥類の貯精時における交尾順と受精率の関係およびこれに関与する要因を調査し、最後に交尾した雄の精子が受精に有利となるメカニズムを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、最後に交尾した雄の精子が受精に有利となるlast male sperm precedence (LMSP)の分子メカニズムを、ウズラを用いた研究により明らかにすることを目的としている。当初の予定では、ゲノム編集を利用して精子特異的タンパクの遺伝子へ蛍光タンパク遺伝子を挿入することにより精子を蛍光標識し、得られた蛍光標識精子を用いて精子を個体ごとに識別する予定であったが、研究期間中にノックイン個体の作出には至らなかった。 加えて2023年度は、LMSPメカニズムを統一的に解析するための評価系構築および解析を行なった。ウズラのZ染色体上に設計した3座位のマイクロサテライトマーカー増幅用プライマーを異なる蛍光波長を有する蛍光色素でそれぞれ標識し、これらの蛍光標識プライマーを用いたマルチプレックスPCRによって個体識別・父性鑑別が可能であった。また、人工授精後に卵黄膜内層へ形成された精子の結合痕をカウントすることによりウズラの貯蔵精子の消費速度を推定した。人工授精時に精子を異なる色素で蛍光標識することによって卵黄膜上にトラップされた精子を識別することも可能であり、以前に報告した精子貯蔵管内の貯蔵精子を蛍光色素によって識別する試験系との組み合わせにより、LMSPをより多面的に評価することができると期待される。研究期間中にLMSPの分子メカニズム同定には至らなかったが、LMSPが交尾後から受精に至るまでのどの段階で、どの様に生じるかを明らかにするための実験基盤を整備した。
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