研究課題/領域番号 |
20K15657
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
森田 智也 岩手大学, 農学部, 准教授 (60862282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心腎連関 / 超音波検査 / 腎静脈波形解析 / 肺高血圧症 / 右心室機能 / 犬 / 腎内ドプラ法 / 僧帽弁閉鎖不全症 / 腎うっ血 / 心エコー図検査 / パルスドプラ |
研究開始時の研究の概要 |
人医療において心臓と腎臓の密接な関わり「心腎連関」が心不全患者の寿命に大きく影響を与えていることが近年明らかとなってきた。また心腎連関の主要因である腎臓のむくみ「腎うっ血」を超音波検査で評価することが可能であり、その有用性が示されてきた。しかし犬においての研究はほとんど行われていない。 本研究では、臨床例の心疾患犬とモデル犬における検討を行うことで、犬において腎うっ血が実際に起こるのか、もし起こるのならどのような因子によって引き起こされているかを明らかにすることを目的とする。その結果、犬における心腎連関に関する基礎的な情報が得られるとともに、高リスク患者の選別や治療選択への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
犬における心臓と腎臓の密接な関連である心腎連関の評価法として超音波検査による腎静脈波形解析の有用性を検討した。心臓病犬の中には腎静脈波形が不連続性パターンを呈する症例が存在しており、右心室機能低下と右心房拡大と関連していた。また不連続性パターンを有する犬の寿命が短縮していたことが明らかとなり、腎静脈波形解析を加えることで寿命を層別化することが可能となると言える。 さらに急性容量負荷モデル犬において右心房圧の上昇により腎静脈波形自体は不連続性パターンを呈することはなかったが、腎静脈の血管抵抗を示す指標が上昇することが明らかとなった。このことから右心房圧の上昇を腎静脈波形が反映していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで心臓病犬において心腎連関を評価する方法は限られていたが、本研究では超音波検査を用いた腎静脈波形解析の有用性を示した。腎静脈波形解析は右心室機能低下や右心房圧上昇を反映し、さらに心臓病犬において不連続性パターンを有している場合には明らかに寿命が短縮していることが明らかとなった。このことから心臓病犬の検査に腎静脈波形解析を加えることで予後のより詳細な層別化や治療方針の決定に寄与できる可能性が示された。
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