研究課題/領域番号 |
20K15671
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
小林 大介 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (40829850)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイルス / アルボウイルス / 吸血昆虫 / ダニ / ヌカカ / ブユ / 節足動物媒介性ウイルス / サシダニ / 野鳥 / 節足動物媒介ウイルス / 新興ウイルス感染症 / ノミ / 衛生昆虫 |
研究開始時の研究の概要 |
最近新しく認知され、公衆衛生上の問題となるウイルス感染症のことを新興ウイルス感染症という。そのほとんどは、野生動物からヒトへもたらされる。それゆえ、新興ウイルス感染症を防ぐためには、ウイルスの自然生態を理解し、ヒトの生活圏へのウイルスの侵入を、事前に察知することが重要である。本研究では、鳥類の営巣活動を中心に関わる様々な吸血昆虫類から網羅的なウイルスの探索を行い、病原ウイルスの新たな維持・伝播サイクルを見出すとともに、ヒトやその他の動物への感染リスクを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、野鳥の営巣活動を中心として、それを取り巻く多様な吸血昆虫類に着目し、それらが保有する病原ウイルスの探索とそれらウイルスの新たな維持・伝播サイクルを見出すことを目的に研究に取り組んだ。野鳥の営巣地や巣材から飛翔性のハエ目昆虫(ヌカカ、ブユ等)、ダニ類、ノミ類などの様々な吸血昆虫類を採集し、次世代シークエンサーや培養細胞を用いたウイルス分離手法を活用することによって、それらが保有するウイルスを網羅的に解析した。その結果、これら吸血昆虫類が保有する新規ウイルスを含めた多種多様なウイルスの存在が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、これまで病原体の媒介者としてあまり注目されることのなかった鳥類の営巣活動を取り巻く吸血昆虫類(サシダニ類やノミ類等)も、蚊やマダニといった重要な病原ウイルスの媒介者と同様に、多様なウイルスを保有していることが明らかとなった。この結果は、野鳥とその巣材に棲息する吸血昆虫類との間に、これまで見過ごされていたウイルスの伝播・維持サイクルが存在する可能性を示すものであり、今後ヒトや動物の集団中で流行する可能性のある新興ウイルスの供給源となりうる可能性も考えられた。
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