研究課題/領域番号 |
20K15680
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
伊賀瀬 雅也 山口大学, 共同獣医学部, 助教 (70847110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 犬 / メラノーマ / 低酸素 / 解糖系 / 腫瘍微小環境 / 代謝 / 免疫 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマに対する新規治療法として、免疫チェックポイント分子阻害抗体を用いた免疫療法が注目されているが、完全に腫瘍を退縮させるには至らず、その原因の解明と打開策が求められている。腫瘍局所の環境は、不完全な血管新生や腫瘍細胞の解糖系亢進により、低酸素、低栄養状態になっている。近年、その腫瘍局所の代謝環境が免疫療法の治療効果を減弱させる要因の1つであると考えられている。本研究では、犬メラノーマの腫瘍局所の代謝環境により変化する細胞傷害性T細胞の代謝と免疫反応の関係性を解析することで、代謝制御による犬メラノーマの新規治療アプローチの開発を行う。
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研究成果の概要 |
犬メラノーマの腫瘍局所の代謝環境が免疫細胞に与える影響を評価するために、腫瘍組織の免疫組織化学染色とリンパ球を用いたリンパ球活性化能の測定を行なった。その結果、低酸素化した犬メラノーマ細胞の培養上清中に免疫抑制因子が含まれることが明らかとなり、また次世代シークエンス解析により、その候補となる20遺伝子を同定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、獣医療において市販されている免疫チェックポイント分子阻害薬はないが、国内外の研究グループが開発を進めており、現場で使用できる日も近くなっている。これまでの獣医師主導臨床試験の結果では、一部のメラノーマ症例で治療効果を示すものの、大部分が治療抵抗性を示している。そのため、その原因の解明が必要とされているが、犬において腫瘍局所の代謝と免疫に焦点を当てた研究は行われていない。そのため、低酸素化によりメラノーマ細胞から放出される免疫抑制性因子が同定され、その制御が可能となれば、将来的に腫瘍局所の代謝環境を制御することによる新しい免疫治療アプローチの創出が期待できる。
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