研究課題/領域番号 |
20K15683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
亀島 聡 北里大学, 獣医学部, 講師 (80826363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 変性性僧帽弁疾患 / 犬 / メトホルミン / トランスフォーミング増殖因子β / 骨形成タンパク質 / 変性性僧帽弁疾患(MMVD) / トランスフォーミング成長因子(TGF)β / 骨形成タンパク質(BMP) / 器官培養法 / 心臓弁間質細胞(VIC) / 心臓弁内皮細胞(VEC) / BAMBI / Protein phosphatase (PP) |
研究開始時の研究の概要 |
変性性僧帽弁疾患(MMVD)は犬で最も多い心疾患である。薬物治療の目的は病態進展抑制と症状緩和であり、原因となる弁変性の抑制ではない。MMVD罹患犬の弁組織では変性を誘導するトランスフォーミング成長因子(TGF)βや骨形成タンパク質(BMP)の発現が増加するが、それらを抑制するBMP and activin membrane-bound inhibitor (BAMBI)の発現は減少する。2型糖尿病治療薬メトホルミンはBAMBI発現を増加させる。本研究ではTGFβ/BMPによる弁変性に及ぼすメトホルミンの影響を細胞/生体レベルで明らかにし、新規MMVD治療薬としての臨床応用の可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
変性性僧帽弁疾患(MMVD)は犬で最も多い心疾患で、トランスフォーミング増殖因子(TGF)βや骨形成タンパク質(BMP)の発現増加に伴う弁膜肥厚により生じるが、それを抑える治療薬は存在しない。2型糖尿病治療薬メトホルミンは、TGFβ/BMPの作用を抑えることが報告されているが、僧帽弁の肥厚に及ぼす影響は知られておらず、その解明を本研究の目的とした。ラット心臓弁由来間質細胞においてメトホルミンは、TGFβ/BMPによるシグナル分子の活性化、および形質変化に伴うマーカータンパク質の発現増加を抑制した。また、ラット摘出僧帽弁においてメトホルミンは、TGFβによる弁膜肥厚を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりメトホルミンがTGFβおよびBMPによるラット僧帽弁膜の変性を抑制する可能性が示された。将来的には、上述した作用の詳細なメカニズムの解明とイヌ僧帽弁組織を用いた検討を経て、自然発症MMVD罹患動物の病態に及ぼすメトホルミンの影響を調査する予定である。メトホルミンが弁膜変性の悪化を防ぐ可能性を示すことができれば、既存薬とは異なる薬効を有する新たなMMVD治療薬となるかもしれない。
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