研究課題/領域番号 |
20K15688
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
須田 遊人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主任研究員 (00784018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ブニャウイルス / 獣医学 / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
アカバネウイルス等ウシの病原オルソブニャウイルスは、妊娠牛に感染し、流死産、新生子牛の体形異常といった、いわゆる牛異常産の原因となることが知られている。異常産子牛の主要な病態発現部位は中枢神経系組織であるが、その障害発生の機序はよく分かっていない。本研究では、感染モデルとして初めて牛胎子脳由来の神経細胞株を使用し、ウイルスの病原性解析を試みる。また、国内で分離され、臨床症状から病原性に違いがあると考えられている複数のオルソブニャウイルス種を用いて神経細胞障害メカニズムを比較解析し、病態との関連性を検討する。以上の研究を通じて、ウシでのオルソブニャウイルスの病態発生機序を明らかとする。
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研究成果の概要 |
アカバネウイルス、アイノウイルス、ピートンウイルス、サシュペリウイルス、シャモンダウイルスはウシの異常産関連オルソブニャウイルスとして知られるが、ウイルスが感染したウシの臨床症状や疫学的情報から、病原性には違いがあることが推察されている。しかしながら、これらのオルソブニャウイルスのウイルス性状の比較解析はほとんどされていない。そこで本課題では、これらウイルスのウシ胎子脳由来神経細胞株FBBC-1細胞における増殖性を比較した。ウイルスの増殖性や、細胞変性効果の有無の違いが認められ、これらはウイルスの病原性や組織指向性に関係する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オルソブニャウイルスの病原性については、臨床症状や疫学情報のみから推察され、ウイルス性状の観点からの理解が進んでいなかった。今回、ウシ胎子 脳由来神経細胞株FBBC-1細胞を用いてウイルス性状の比較解析を行ったことで、その違いが明らかとなり、病原性や組織指向性の理解につながる新たな知見が得られた。本研究により、病態発現機序を解明する手がかりを得るとともに、ウイルス性状の違いを評価する実験系を構築することができた。本成果は、オルソブニャウイルスの病原性や、病態発生機序の解明に寄与し、より有効な感染症対策や診断に貢献すると考えられる。
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