研究課題/領域番号 |
20K15692
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下出 紗弓 広島大学, ゲノム編集イノベーションセンター, 助教 (90772103)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 内在性レトロウイルス / レトロトランスポゾン / ゲノム / ネコ / 家畜化 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
家畜には従順な性格、体型・下顎の小型化、白斑など野生種にはない一連の表現型の特徴が認められ、家畜化症候群と呼ばれる。イエネコにおいても他の家畜と同様の表現型変化が認められるが、その原因遺伝子や獲得メカニズムはわかっていない。申請者はイエネコと大型ネコ科動物との間で異なるレトロトランスポゾン配列が保持されていることを明らかにし、家畜化症候群をもたらす起因となったのではないかと着想した。本研究ではイエネコを研究対象とし、レトロトランスポゾンが家畜化関連遺伝子の発現に与えた影響を明らかにする。本研究成果は種を超えた家畜化メカニズム解明の足掛かりとなることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、イエネコの家畜化関連遺伝子発現に与えるレトロトランスポゾンの影響を明らかにしようとするものであった。 先行研究で同定したRDRS C2aは内在性レトロウイルス(ERV)の一つであり、すべてのイエネコが保有している。RDRS C2aはネコ属の一部ではWDR4遺伝子にオーバーラップしており、その他のネコ科動物では保持されていないことがわかった。RDRS C2aのLTRは強いプロモーターを維持することが明らかになった。また、ERVの多くはDNAメチル化により不活化されているが、RDRS C2aの5'LTRはDNAメチル化されておらず、周辺遺伝子のプロモーターとして機能する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、イエネコの家畜化関連遺伝子発現に与えるレトロトランスポゾンの影響を明らかにしようとするものであった。現在までイエネコの家畜化メカニズムを明らかにした報告はない。 本研究成果の波及効果として、動物の家畜化にはどういった遺伝子発現制御機構の変化が必須であったか、種を超えた家畜化メカニズムの解明の足掛かりとなることが期待される。家畜化メカニズムの解明は、品種改良においても有用な基盤となり畜産業へも寄与する。
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