研究課題/領域番号 |
20K15700
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
守田 昂太郎 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (80826545)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 胚性ゲノム活性化 / ラット / マウス / エピゲノム / ヒト |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の初期胚に関する知見は生殖工学が発展しているマウスでよく知られているが、マウスを含み、カエル、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエではヒトと胚性ゲノムの活性化(ZGA)のタイミングが異なっており、各々特異的なZGAの分子機構が存在している可能性が考えられる。そこで、本研究では、これまで十分に調べられていなかったラットに着目し、マウス-ラット-ヒトを比較して、マウスには存在しない、ヒトとラットに共通したZGA開始機構を発見できれば、ヒト胚を用いずとも、ゲノム編集技術等を駆使して、ヒト全能性獲得の解明に繋がる新たな知見が得られると考えられる。
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研究成果の概要 |
ラット初期胚のRNA-Seqを行ったところ、2から4細胞期の間に転写転写産物が大きく変わることが分かった。そこで2細胞期における転写機構を調べるために2細胞期において発現量の高い遺伝子を調べた結果、転写活性に関与するH3K27acのシャペロンであるBrdtが上位に検出された。また、H3K27acが転写活性化の時期に大規模に変化していた。そこで、Brdtを過剰発現させた結果、2細胞期で5-EUのシグナルの上昇が認められた。マウスでは、Brdtの発現レベルは受精卵で高くなり、2細胞期で著しく低下するため、マウスとラットの胚性ゲノムの活性化のタイミングにも重要な働きをしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスの胚性ゲノム活性化機構は2細胞期で生じ、ラットやヒトなどと異なる。胚性ゲノムの活性化は全能性獲得に必須とされ、このタイミングを制御する分子機構の解明は重要である。本研究では、胚性ゲノム活性化のタイミングの制御に関与していると考えられるBrdtの同定に成功した。本研究は、マウス以外の4~8細胞期で胚性ゲノムが活性化する分子機構とそのタイミングが異なる生物学的意義を解明する糸口になると考えられる。今後の発展として、胚の初期化機構の解明や繁殖技術の向上に貢献すると考えられる。
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