研究課題/領域番号 |
20K15702
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中村 和臣 鳥取大学, 医学部, 特命助教 (90598137)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ラット着床前胚 / アポトーシス / Bax / 体外培養 / ラット / 着床前胚 / DNA損傷 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
実験動物であるラットの着床前胚を体外培養すると、着床後の胚発生が抑制される。本研究の最終目標は、ラット胚の着床後の発生が抑制されることのない体外培養法を確立することである。本課題では、ミトコンドリア活性に着目し、体外培養したラット胚の発生抑制要因を探る。FRET-based ATP indicator導入ラットを作製し、ラット着床前胚のATP濃度を可視化する。これより、ラットの体内発生胚と体外発生胚におけるエネルギー産生の違いを明らかにする。また、ラット着床前胚のミトコンドリア膜透過性遷移を観察することで、ミトコンドリア依存性アポトーシスの関与を探る。
|
研究成果の概要 |
ミトコンドリア外膜透過性促進遺伝子(Bax, Bak1)に焦点を当て、体外培養したラット胚と体内発生したラット胚におけるこれらの遺伝子発現をqPCR解析により比較したところ、体外培養胚において、両遺伝子とも有意に高発現していた。さらに、ゲノム編集によって、これらの遺伝子を破壊したラット胚を作製し、DNAの断片化を観察したところ、Bak1を破壊しても体外培養によって誘導されるDNAの断片化は抑制されないが、Baxを破壊すると抑制された。これにより、体外培養したラット着床前胚においては、Bax依存性のミトコンドリア経路アポトーシスが起こっていることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体外培養したラット着床前胚においては、Baxの高発現がアポトーシスを誘導し、著しいDNAの断片化が起こることがわかった。今後は、Baxの高発現を誘導しているさらに上流の要因を探ることが重要である。これを解明することができれば、体外培養してもその後の発生が阻害されることのない新たな培養法の確立へ繋がり、さらには遺伝子組換えラットの作製効率の向上によって、医学・生命科学研究の発展に寄与する。
|