研究課題/領域番号 |
20K15704
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 日本大学 (2021, 2023) 公益財団法人実験動物中央研究所 (2020) |
研究代表者 |
山口 卓哉 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (60865111)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クッパー細胞 / マクロファージ / NOGマウス / ヒト赤血球モデル / ヒト化マウス / 自然免疫 / ヒト化モデル / ヒト血液細胞 / ヒト赤血球 |
研究開始時の研究の概要 |
超免疫不全動物であるNOGマウスはその骨髄や血液中にヒトの造血幹細胞や白血球を長期間生着させることができるが、ヒト赤血球は生着させることができない。この原因としてマウス自然免疫系によるヒト赤血球排除機構が考えられており、最近我々は、ヒト赤血球がNOGマウスのクッパー細胞によって貪食されていることを見出した。 そこで本研究では、NOGマウスのクッパー細胞がどのようにヒト赤血球を認識し排除しているのか、その分子メカニズムを明らかにする。さらに、それらの分子を欠損させた遺伝子改変NOGマウスを作製し、ヒト赤血球を長期間に亘って生着させることができる新規マウスモデルの開発を試みる。
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研究成果の概要 |
免疫不全NOGマウスにヒト赤血球を移入しても、肝臓に存在するクッパー細胞によって速やかに貪食されてしまうため、ヒト赤血球を長期間維持するモデルマウスの開発には至っていない。そこで本研究では、マウスクッパー細胞によるヒト赤血球の認識・排除機構の分子レベルでの解明と、ヒト赤血球をその血液中に長期間維持することができるモデルマウスの開発を試みた。その結果、マウスクッパー細胞はClec4FとC3分子の働きによりヒト赤血球と結合していることが示唆された。また、C3分子の欠損と塩化ガドリニウムの投与によるクッパー細胞の抑制により、ヒト赤血球を30日以上に亘ってマウス血液中で維持することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫反応は生体の外来異物に対する反応である。異種の赤血球が血液中に流入することは通常考えられないが、マウスクッパー細胞はヒト赤血球を異物と認識し急速かつ劇的に排除している。このような自然免疫機構の分子機構として、C3の関与を明らかにするとともにClec4Fを見出した。Clec4Fが異物認識にかかわることは報告されているが、クッパー細胞やヒト赤血球との関連は本研究で見出された。本研究で開発されたヒト赤血球モデルマウスはマラリア研究に有用なモデルとなるだけでなく、今後開発されるであろうiPS細胞由来の赤血球の安全性を試験するモデルとしても有用であり再生医療の実現に向けて貢献可能と考えられる。
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