研究課題/領域番号 |
20K15709
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
佐古 博皓 沖縄科学技術大学院大学, 細胞シグナルユニット, ポストドクトラルスカラー (80793570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 翻訳速度 / リボソームプロファイリング / 新生鎖 / タンパク質変性 / 糖尿病 / miRNA / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の変性は,アルツハイマー型認知症などに加え,II型糖尿病や動脈硬化症や老化など,50以上の疾病や病態にも関連すると考えられている. これまでの研究では,主に成熟したタンパク質の変性が着目されてきた.しかし実際は,生まれたばかりの新生タンパク質もすでに変性していることが分かってきた.つまり数々の疾病に関連するタンパク質の変性を回避するためには,なぜ新生タンパク質がすでに変性しているのか,そして細胞内のどのようなメカニズムが新生タンパク質の変性を制御しているのかを解明する必要がある. 本研究では,何が新生タンパク質の変性を特異的に制御しているのかを解明し応用することを目的としている.
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研究成果の概要 |
リボソームプロファイリングとmiRNA結合領域データの解析により、mRNAのCDSに結合するmiRNAは、標的の分解や翻訳を抑制することなく、リボソームの速度を一時的に遅くさせる機能を持つ可能性を示した。この概念を実験的に検証するために、新生鎖のミスフォールディングに脆弱なレポーターを作成し、グローバルもしくは標的特異的なmiRNAの減少が翻訳速度を局所的に加速させ、新生鎖の折畳みを負に制御することを示した。また、内在性のタンパク質においてもnon-cleaving shRNAによって翻訳速度を調節することで標的タンパク質の変性を抑制することが可能かどうか検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
miRNAは標的mRNAに結合し、mRNAの分解や翻訳抑制を亢進することが広く知られている。miRNAはmRNAのCDSへも3´UTRと同程度結合するが、CDSに結合するmiRNAの発現量への影響は小さく、なぜ多くのmiRNAがCDSにも結合するのかは分かっていなかった。本研究では、一部のmiRNAは、標的のmRNA分解や翻訳抑制ではなく、リボソームの翻訳速度を局所的に遅くすることで、新たに生まれたタンパク質の折り畳みを促進していることを示すとともに、様々な疾患と関連するタンパク質変性の抑止策の一つとして新たな可能性を示すことができた。
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