研究課題/領域番号 |
20K15716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 将 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (30869061)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 減数分裂組換え / 配偶子形成 / 相同組換え / DNA修復 / 生殖細胞 / 減数分裂 / 交叉型組換え / 組換えDNA合成 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスやヒトなどの哺乳細胞では、DNA二本鎖切断によって開始された減数分裂組換えの内、10%程度しか交叉型組換えを起こさない。第一減数分裂における正常な染色体分配を保証するために、各相同染色体対当たり必ず1箇所は交叉型組換えが起こるように厳密に制御されているが、その仕組みは詳しくはわかっていない。本申請研究では、減数分裂組換えに伴うDNA合成に着目することで、交叉型組換えの選択がいつ、どのように起こるのか、DNAレベルで検証する。具体的には、 組換えDNA合成の経時的かつゲノムワイドなマッピング法を確立し、変異体マウスを用いて解析することで、交叉型組換え選択の制御機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
哺乳類における減数分裂組換え制御タンパク質の機能解析を行った。特に、RAD51をDNAから解離させる機能を持つFIGNL1に着目した。Fignl1の精巣特異的なコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを作製し、FIGNL1が交叉型組換えに必須であることを明らかにした。Fignl1 cKOマウスではRAD51が減数分裂期の精母細胞のみならず、減数分裂前DNA複製期の染色体にも蓄積し、また、減数分裂組換えが起こらないSpo11 KOマウスでもRAD51が蓄積したことから、FIGNL1による無傷の二本鎖DNA及び組換え部位の一本鎖DNAからのRAD51の解離が減数分裂に必須であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
減数分裂組換えの破綻は不妊症やダウン症等の疾患の一因であることが知られており、FIGNL1はヒトの早期卵巣不全の原因遺伝子としても報告されている。従って、本研究により明らかになったFIGNL1の機能は、将来的な生殖補助医療や不妊治療へと繋がることが期待される。また、相同組換えは体中の細胞で生じるDNA損傷の修復に必須であり、相同組換えの破綻が細胞のがん化を引き起こすことも知られている。FIGNL1は体細胞でも発現していることから、本研究で明らかにした、RAD51のDNAからの解離を解した相同組換え制御の仕組みの理解は、将来的ながん予防やがん治療へと繋がることが想定される。
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