研究課題/領域番号 |
20K15722
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
市川 雄一 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 研究員 (20632160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エピジェネティクス / クロマチン / ノンコーディングRNA / ER陽性乳がん / スーパーエンハンサー / ELEANOR / ESR1 / ChIRP / non-coding RNA |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子の発現を制御する因子として、タンパク質へ翻訳されずに細胞核内で機能するノンコーディングRNAが注目を集めている。本研究は、ER陽性乳がんで高発現しており、がん化や治療耐性化に関与する核内長鎖ノンコーディングRNA「エレノア」の機能解析を行う。エレノアは、クロマチンを取り囲むように集合し、その近傍の遺伝子の転写を活性化することが報告されている。しかし、RNAが集合する機構や転写活性化の詳しいメカニズムは明らかになっていない。本研究では、液-液相分離の観点から研究を行い、この分子基盤の解明を目指す。得られる成果は、がんの診断や治療標的の同定につながると期待される。
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研究成果の概要 |
ノンコーディングRNAエレノアは、RNAクラウドを形成しエストロゲン受容体(ER)をコードするESR1遺伝子の転写を活性化することで、ER陽性乳がんの再発に関与すると示唆されている。本研究では、エレノアがESR1遺伝子座近傍のスーパーエンハンサーに集積し、BRD4のリクルートを促進することを明らかにした。また、BRD4はエレノアの転写およびER陽性乳がんの増殖に必要であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エレノアRNAは細胞のがん化や乳がんの治療耐性化との関与が示唆されている。したがって、本研究によって得られた成果は、がん細胞が治療抵抗性を獲得するメカニズムの一端を明らかにするものであり、再発がんの診断あるいは新たな治療標的の同定につながると期待される。
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