研究課題/領域番号 |
20K15725
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
井口 智弘 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 研究員 (10783516)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Cdc7-ASKキナーゼ / DNA複製 / 脳形成 / 血球系細胞 / RIF1 / サイクリン依存性キナーゼ / DNA replication / Cdc7 / ASK / 細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複製関連因子の1つであるCdc7およびCdc7の活性化サブユニットであるDbf4の組織特異的な遺伝子欠損マウスを用いて、Cdc7の細胞分化における機能および分子機構を明らかにすることである。さらに、細胞系列によってはCdc7がDNA複製開始に必須ではなく、Cdc7の機能を代替する因子が存在することが示唆されることから、Cdc7非存在下における動物細胞のDNA複製制御メカニズムの解明する。
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研究成果の概要 |
本研究により、Cdc7およびASKの増殖・分化への関与は細胞系列毎に異なることが明らかとなった。また、個体レベルでRif1がCdc7-ASK依存的複製を抑制することが示された。細胞系列によっては、Cdc7-ASK複合体に依存しないDNA複製開始メカニズムが存在すること、その一つはCdkが担っている可能性があることが示唆された。Cdc7-ASK非依存的な新規複製制御機構の解明は、DNA複製機構の多様性を明らかにし、癌細胞や正常細胞、細胞系列特異的な細胞増殖メカニズムに新たな知見をもたらすことが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、Cdc7やASKが個体を形成する異なる細胞系列において、異なる要求性を示すこと、Cdc7あるいはASK非依存的な複製様式が存在すること、Rif1やCdk阻害因子がそれらの経路を阻害していることが明らかとなった。生体内では細胞系列ごとに多様なDNA複製開始システムが採用されている可能性があり、Cdc7-ASK非依存的な新規複製制御機構の解明は、DNA複製機構の多様性を明らかにし、癌細胞や正常細胞、細胞系列特異的な細胞増殖メカニズムに新たな知見をもたらす。さらに細胞種特異的な複製メカニズムの解明は、癌などの疾患細胞を標的とした新規創薬に繋がる可能性がある。
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