研究課題/領域番号 |
20K15727
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 昌弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (80827155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 構造生物学 / 植物 / Gタンパク質シグナリング / 三量体Gタンパク質シグナル / イネ科植物 |
研究開始時の研究の概要 |
全ての生物は外環境に対して適切な行動をとるため,情報を細胞内へ伝える伝達システムを持つ.細胞内外を繋ぐ主要な情報伝達系の一つに,三量体Gタンパク質を介したシグナル伝達経路がある.三量体Gタンパク質はα,β,γの3つのサブユニットから構成され,ヒトをはじめとした動物同様に植物にも保存されている.しかし,植物の三量体Gタンパク質シグナル制御機構の詳細は未だ不明な点が多い.本研究では,X線結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡解析を組み合わせた構造生物学的研究を行うことで,農作物として有用なイネ科植物をはじめとした被子植物におけるユニークな三量体Gタンパク質シグナル制御機構の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
三量体Gタンパク質を介したシグナル伝達経路は、細胞外の情報を細胞内へ伝える主要なシステムの一つである。植物にも三量体Gタンパク質は保存されているが、そのシグナル制御機構は動物と大きく異なる。本研究では,クライオ電子顕微鏡解析によって植物特有の三量体Gタンパク質シグナル制御の分子機構を明らかにすることを目的として研究を行った。現在までに、発現や精製条件の検討の結果、均一性の高い高純度の植物由来膜タンパク質試料を高収量で得ることに成功している。クライオ電子顕微鏡を用いた画像撮影の結果、界面活性剤中で粒子同士が集まり長い凝集体構造を作っていることが観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2017年にノーベル化学賞の対象となった技術であるクライオ電子顕微鏡法の台頭によって、Gタンパク質共役型受容体 (GPCR) とGタンパク質との複合体構造が次々に報告され、動物の三量体Gタンパク質の活性化/不活性化の分子機構が原子レベルで解明されつつある。しかし、植物のGタンパク質シグナルの分子機構はほとんど不明である。本研究ではそのような植物の膜タンパク質を介したGタンパク質シグナリングに着目し、構造生物学的研究を行った。その結果、これまでに精製の報告がない植物由来膜タンパク質の発現と精製に成功した。これは今後、植物の三量体Gタンパク質シグナル制御機構の理解を促進させると期待される。
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