研究課題/領域番号 |
20K15731
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
櫻木 崇晴 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (10867906)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リン脂質スクランブラーゼ / Xkr8-Basigin複合体 / 構造解析 / 単粒子解析 / ホスファチジルセリン露出 / 'eat me'シグナル / アポトーシス / スクランブラーゼ / Xkr8 / Basigin / リン脂質スクランブリング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜を構成するリン脂質はその内側と外側で非対称的に分布する。アポトーシス細胞ではこの非対称性が崩壊し、通常、細胞膜の内側に存在するリン脂質・ホスファチジルセリン(PS)が速やかに外側に移動する。細胞表面に露出されたPSは目印となり、マクロファージ(食細胞)による貪食を促進する。PSを細胞表面に露出させる際には、リン脂質を区別無く双方向に移動(スクランブル)させるタンパク質・Xkr8が活性化する。しかし、Xkr8がどのようにリン脂質をスクランブルするのかは分かっていない。本研究では、定常状態および活性化状態のXkr8の構造を調べることで、リン脂質スクランブルの仕組みを理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
細胞膜を構成するリン脂質は、その内層と外層で非対称的に分布する。アポトーシス細胞ではこの非対称性が崩壊し、通常細胞膜の内層に存在するホスファチジルセリンが細胞表面に露出される。この過程には、リン脂質を区別無く双方向に輸送する膜タンパク質、スクランブラーゼが働く。アポトーシス時に働くスクランブラーゼの実体はXkr8-Basigin複合体であるが、この分子がリン脂質を輸送する仕組みは不明である。本研究では、Xkr8-Basigin複合体の定常状態の構造を決定し、Xkr8-Basigin複合体の作用機序の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞がアポトーシスを起こすと、細胞表面に‘eat me’シグナルであるホスファチジルセリンを露出し、食細胞によって速やかに貪食される。このホスファチジルセリン露出に必須なスクランブラーゼ、Xkr8-Basigin複合体の機能が損なわれると、アポトーシス細胞が速やかに貪食されないため、個体においては自己免疫疾患や精子欠乏症を発症する。本研究ではXkr8-Basigin複合体の立体構造解析および変異体の機能解析により、この分子の作用機序の一端を解明した。この成果は将来、上記疾患の病態解明の基盤となることが期待される。
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