研究課題/領域番号 |
20K15732
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹川 宜宏 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (50791810)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | ストマチン / チャネル / 細菌 / べん毛 / 蛋白質間相互作用 / 線虫 / トランスポーター / イオンチャネル / 神経 / 構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ストマチン様タンパク質(以下slipin)とチャネルタンパク質の複合体構造の決定を行う。構造を元にslipinとチャネルタンパク質の相互作用様式を原子レベルで明らかにする。slipinはほとんど全ての生物に保存されており、slipinによって様々なチャネル/トランスポータータンパク質がどのような分子メカニズムによって制御されているのかを明らかにすることは、生命現象の根幹に関わる重要な課題である。チャネルやトランスポーターは細胞、ひいては生物の活動に必須であり、slipinは病理学的にも重要なターゲットである。本研究の達成は病理学的な原因追求や感染症に対する新規薬剤の探索にも繋がる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ストマチン様タンパク質(slipin)と制御するチャネルタンパク質の相互作用機構を明らかにすることを目的とした。線虫と細菌をモデルとして、異なるslipinと対応するチャネルタンパク質の複合体を分子構造の知見から考察した。全長蛋白質やフラグメントの発現系を確立し、安定的に精製可能なフラグメントの同定に成功した。多量体構造を作りやすい性質を持つタンパク質についても再現よく確認された。MEC-2とMEC-4の弱い相互作用も検出された。低温電子顕微鏡により、MotA/Bホモログの構造が明らかになった。また、MotBホモログがNa+と結合することで構造変化するメカニズムも明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ほとんど全ての生物に保存されているslipinは、多様な機能を持つチャネル/トランスポータータンパク質を制御する。しかし、異なる構造を持つチャネルタンパク質をどのように制御するのか、また、同じ構造モチーフを持つslipinがどのように機能的な多様性を生み出すのかが興味深い。さらに、チャネルやトランスポーターは生物活動に必須であり、slipinは病理学的にも重要なターゲットである。本研究は、病理学的な原因追求や新規薬剤の探索に繋がる可能性がある。同一ファミリーのタンパク質がここまで多様な相互作用パートナーを持つ例はほとんどなく、今後も生命現象の根幹に関わる重要な課題である。
|