研究課題/領域番号 |
20K15734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡邊 康紀 山形大学, 理学部, 講師 (30772636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / リン脂質 / PS脱炭酸酵素 / ホスファチジルコリン / PmtA / NMR / ホスファチジルセリン脱炭酸酵素 / リン脂質代謝 / 結晶構造解析 / ホスファチジルエタノールアミン |
研究開始時の研究の概要 |
大腸菌由来PSDについて,以下のプロセスで研究を進める.①アポ型PSDの結晶構造解析.②基質結合型PSDの結晶構造解析.③リポソームを用いた膜結合メカニズムの解明.④構造に基づいた基質認識及び反応触媒モデルの構築,およびin vitro, in vivo両面からの検証.以上の結果から,PSDによるPE生合成メカニズムを明らかにする.本研究の成果をもとに,大腸菌のみならず,より高等な生物のリン脂質代謝機構の解明にも発展させることが可能となる.
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研究成果の概要 |
生体膜を構成する主要リン脂質であるホスファチジルエタノールアミン(PE)の生合成に関わるホスファチジルセリン脱炭酸酵素(PSD)は酵素の発見以来50年近くその立体構造は明らかになっておらず、PE生合成の詳細なメカニズムは不明なままであった。本研究では大腸菌由来PSDの単体および基質結合型の立体構造をX線結晶構造解析法により明らかにすることに初めて成功した。決定した構造に基づいた変異解析により、基質認識に関与するアミノ酸残基の同定および膜への結合メカニズムを明らかになり、PSDによるPE生合成の構造基盤を解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PEの生合成に関わるPSDは細菌からヒトに至るまで高度に保存されており,リン脂質代謝において重要な役割を果たしている。ヒト由来PSD遺伝子(PISD遺伝子)に変異が導入されることが原因で白内障や骨系統疾患が発症することが報告された。これらは生体膜を構成するリン脂質の代謝の恒常性維持が生命活動に密接に関連していることを示唆している。本研究でのPSDの構造解析研究を通して将来的にはPISD遺伝子の変異によりヒトの疾患が引き起こされる原因の解明につながるであろう。
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