研究課題/領域番号 |
20K15735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
守屋 俊夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (20565014)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / 量子コンピュータ技術 / 画像処理 / 機械学習 / 構造生物学 / タンパク質ダイナミクス解析 / クラウドコンピューティング / クライオ電子顕微鏡学 |
研究開始時の研究の概要 |
第一にクライオ電顕・単粒子解析に量子コンピューティングを応用するための研究基盤を確立する。まず巡回セールスマン量子アニーリングを利用した古典・量子ハイブリット型の初期三次元構造再構築アルゴリズムの具体的な開発・実装・実証を通し、古典・量子混在クラウドシステムの課題を明らかにし解決する。さらに複数の古典アルゴリズムを量子アルゴリズムに順次置き換えていく。ここでは量子優位性が最も高いと見込まれる処理ステップを数個選択、開発・実装・実証を行う。最終段階として、単粒子解析向け古典・量子混在クラウドシステム上で全ての処理段階が実行可能なソフトウェアを開発・配布し、全ての研究者が利用できるようにする。
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研究成果の概要 |
当初は巡回セールスマン問題として捉えた3次元角度推定への量子アニーリングの応用研究に取り組んだ。シュミレーションデータセットでは良好な結果が得られたが、実験データセットを用いた場合、高い再現性と精度の3次元角度推定が得ることができなかったため断念した。代替案としてタンパク質ダイナミクス解析への量子アニーリングの応用を検討した。基質無し条件下で取得したV型ATPase全体構造のデータセットの試験的なダイナミクス解析を行い、Vo部分のCリング構造と回転軸DFd複合体が連動して連続的な回転運動をする一部の様子を動画で可視化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜タンパク質や超分子複合体等の立体構造を原子分解能で可視化する技術として、クライオ電子顕微鏡を道いた単粒子解析が急激に成長している。それに伴い本手法に要求されるデータ量と計算量も急増し続けている。本研究の成果として得られた、莫大な計算量を必要とするクライオ電子顕微鏡・単粒子解析、特にダイナミクス解析のために構築した生体高分子構造解析向けのクラウド計算環境であるGoToCloudは、本課題の当初の目的であった本手法への量子コンピュータ技術の応用のための技術基盤となる。
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