研究課題/領域番号 |
20K15741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 筑波大学 (2020) |
研究代表者 |
堀越 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (60732170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | G6PD欠乏症 / 溶血性貧血 / 構造解析 / G6PD / グルコース代謝 / NADPH / redox signaling / ROS / enzymopathy |
研究開始時の研究の概要 |
グルコース-6-リン酸脱水素酵素(Glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD)欠乏症は、赤血球の崩壊に伴う溶血性貧血、高ビリルビン血症、黄疸、神経変性などを引き起こす重篤な疾患である。G6PD欠乏症患者において同定された150以上の点変異の中で最も重篤なクラス1に分類される点変異に対する効果的な活性化剤は未だ見つかっていない。本研究では、申請者らが明らかにしたG6PD欠乏症におけるクラス1変異体の構造情報に基づいて、変異型G6PDの酵素活性向上と活性化の構造基盤解明を目指す。さらに、変異型G6PDの酵素活性を向上させる化合物の探索と活性化機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
細胞内において、活性酸素種は様々なシグナル経路において重要であるともにDNAやタンパク質の損傷を引き起こす。ペントースリン酸経路において中心的な役割を果たすglucose-6-phosphate dehydrogenase (G6PD)は、細胞内の活性酸素の調節に必須のタンパク質である。これまでに多くのG6PD遺伝子の変異が見つかっており、それらの変異は溶血性貧血をはじめとした重篤な症状を呈するG6PD欠乏症の原因となる。本研究では、酵素活性が野生型の10%以下に低下する最も重篤なクラスI変異による活性低下機構の解明、クラスI変異体の活性化、及び活性化メカニズムの解明に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、G6PD欠乏症における最も重篤なクラスIに対する活性化分子は同定されていない。本研究によって、世界で初めてクラスI変異による活性低下機構の解明及びクラスI変異体の活性化に成功した。今後、本研究によって得られた知見やG6PD変異体の構造情報を用いて、クラスIに対する新規の治療薬の開発につながることが期待される。また、本研究は酵素活性レベルは同程度にも関わらず症状が異なるクラスI及びクラスIIの変異に関する研究に対しても重要な知見を与えた。以上のことから、本研究は学術的及び社会的に非常に意義深いと考えられる。
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